栄養補助食品は老化を防止できるのか

【大紀元日本5月30日】米国政府の統計によれば、アメリカ人が栄養補助食品(サプリメント)のために消費しているお金は、年間少なくとも58億ドルに達している。人々は栄養補助食品の摂取を通じて健康促進、疾病予防、老化防止などの効果を期待している。

栄養補助食品に関する米国の法律では、生産者と販売者は商品の有効性に関して検証する義務がないとされている。そのため栄養補助食品が実際に有効かどうかにかかわらず、生産し販売することは、法律に触れない。しかし、その効果に関しては、科学者の間でずっと議論されてきた。

例えば、最近注目されている抗酸化作用がある栄養補助食品の老化防止の効果に関しては、議論が二分されている。イギリスのマンチェスター大学の研究者が線虫を使って行った研究では、抗酸化物質が線虫の平均寿命を5割延長したという結果が得られた。一方、デンマークの研究者の研究では、抗酸化物質が人間の寿命を延長する効果はなく、かえって寿命を縮めることがあると指摘した。

米国マサチューセッツ州にあるタフツ大学の人類栄養学研究センターで抗酸化物質の研究を担当しているブルムバーグ(Jeffrey Blumberg)博士は、抗酸化栄養補助食品の効果について、「私達が食べている食品は約2万種類の抗酸化物質を含んでおり、その中のどれが栄養補助食品としての利用価値があるのか、今のところはまだ確定できていない」と指摘する。

さらにアメリカのCNNは、4月10日の特別報導番組で次のように語っている。「これまでの研究データから見れば、残念ながら栄養補助食品の老化防止効果はまだ確証されていない。実は、果物と野菜は各種の抗酸化物質をたくさん含んでいることがよく知られている。これらの物質は、血圧降下や心臓病と癌の予防効果があることも認識されている。自然の食品をバランスよく食べれば、抗酸化物質のような栄養補助食品がなくても、健康に生きることができるはずである」。

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