中国、トウモロコシ原料エタノールを生産停止の可能性
新華社は10日、中国政府の認可を受けた燃料用エタノール工場4カ所に対し、政府が、原料としてのトウモロコシの使用を徐々に停止するよう指示する可能性があると伝えた。
新華社によれば、国家発展改革委員会(NDRC)のある当局者がバイオ燃料に関するセミナーで、エタノール工場はキャッサバやセルロースなどの非穀物原料に転換しなければならないと発言したという。
しかし、NDRCのある当局者はロイターに対し、非穀物原料への転換について具体的な計画はないとしたうえで、仮にトウモロコシを原料としたエタノール生産を停止する決定を下したとしても、非穀物原料への転換はすぐには実現しないだろうと述べた。
また、ある当局者は「一部地域ではエタノール供給が必要であり、生産が停止されることはない」と指摘。「河南省や黒竜江省、安徽省の一部工場では、すでにサツマイモやセルロースの使用を研究しているが、技術は依然として未成熟だ」と付け加えた。
中国国内のトウモロコシ現物価格は、2006年の収穫量が過去最高に上ったにもかかわらず、供給ひっ迫を背景に上昇を始めている。燃料用エタノールを含むトウモロコシ加工産業からの需要が拡大しているためだ。
政府は、トウモロコシを原料とする新エタノール工場の建設認可をすでに停止。ただ、認可済みの4工場に対しては豊富な補助金を拠出している。中国は米国、ブラジルに次いで世界第3位の燃料用エタノール生産国。政府は石油輸入への依存度を低めるため、バイオディーゼルを含むバイオ燃料の生産を促進している。
[北京 11日 ロイター]
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