北京政府、五輪抗議活動を抑制、海外種々団体から情報収集

【大紀元日本7月26日】北京政府はこのほど、政府に批判的な人権団体、迫害中止を求めるキリスト教徒ら、ダルフール大量虐殺の中止を求める人権活動家ら、無責任な環境政策に対し改善を求める環境保護団体などを含み、北京五輪開催期間中に抗議活動を行う可能性のある団体に所属し、「我が国(中国)のイメージを損なう」外国国籍所持者の情報を収集しているという。AP通信社が伝えた。

中国五輪準備委員会関係者は、「北京の最大の調査目標は、各国の非政府団体(NGO)の情報であり、北京が知りたいこととは、どのNGOが抗議に参加するか、しいてはそれらの団体は具体的に何をしようとしているのかを知りたがっている」とリークした。

国際マーケッティング会社「オグルヴィPR」中国支社のスコット・クロニック社長は、中国当局が抗議活動に対して如何に処理するかが懸念されると示し、すべての国は大きいイベントの前に、抗議活動を調査しているが、中共が調査している活動の多くは合法的であると指摘した。クロニック社長は一度、北京五輪準備委員会関係者から、法輪功迫害真相調査団が予定している人権聖火リレーによる抗議を受けたことを聞かされ、それに対して、「自分は非常に驚いた。必ず抗議する者がいる。これこそが人権である。人が抗議するかどうかということよりも、抗議活動後にどう対処するかを考えなければならない」と指摘した。

北京側はまったく抗議のない「平和」な五輪を主催したいかも知れない。これに対して、公安局および国安部は共にコメントを控えた。

報道によると、北京が直面している新たな問題は国内から生じるものであるという。ハーバード大学ケネディスクールで北京危機管理者養成に携わる専門家アーノルド・ホウィット(Arnold Howitt)氏は「北京当局は、高圧的制圧を如何に維持するかを懸念している」と分析した。北京当局は、テロ組織のほかに、チベット人活動家、農民直訴者、信仰団体直訴者、キリスト教徒、法輪功(Falun Gong=ファールンゴン)修煉者、リストラされた労働者などなどを含む「公に出る」ことの出来ない人々の活動も懸念しているという。

北京五輪準備委員会の関係者によれば、北京当局は、過去において、中国共産党(中共)当局とまったく関係のない非政府団体も調査対象になっているという。ここ数ヶ月間、多くの人権団体が世界的規模の抗議活動を始めた。ダルフール地区の虐殺を反対する者は、中共がスーダンの大量虐殺に対して圧力を掛けて抗議しなければ、「北京五輪」を「大量虐殺五輪」と呼び変えると強調した。準備委員会関係者は、「中国にとって、これら非政府団体がすべての動乱および不安定要素である」とし、北京側は抗議活動が北京五輪に対して、顔に泥を塗るだけではなく、国内の異見者に勇気を与えることを懸念しているという。

匿名の関係者は、調査活動の大きい一部は海外法輪功修煉者に対するものであると明らかにした。同氏は、当局は現在海外の法輪功修煉者らに関する情報収集を行っており、非政府団体およびそのメンバーの情報収集も含む。同氏は情報収集の手段は諜報スパイまたは電子偵察などを用いるかどうかについて、コメントはしなかったが、中共海外外交関係者らがさまざまな団体の人々の情報収集を要求されているという。

また、その関係者は「アフリカ、環境保護またはダルフールのいずれに関して、五輪がなければ、北京側はこれらのことを完全に無視するのであろう」とコメントした。

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