英テレビの中国児童人身売買ドキュメンタリー、中国当局、放送阻止の構え

【大紀元日本9月26日】英テレビ「チャンネル4」が10月8日に放送予定にしている中国国内の児童人身売買および誘拐に関するドキュメンタリーについて、駐英国中国大使館は、事前にドキュメンタリーを提出し中国当局の検閲を受けていないとして不満を示し、同ドキュメンタリーの放送を阻止する構えだ。

英「タイムズ」によると、題名が「中国で盗まれた児童」のドキュメンタリーは「チャンネル4」の制作チームが中国現地で秘密裏に撮影したもので、中国国内における児童の人身売買および誘拐の現象が普遍的であることを示した。制作チームはさらに、子供を失った親と子供を売った親の両方のインタビューに成功し、誘拐された男児は女児より多い。男児は将来的に女児より稼げるからだ。また、買う側はほとんど子供のいない家庭だという。売春関係者に売り飛ばされた子供もいるという。

一方、裁判所を通じてドキュメンタリーの放送を阻止しようとしている中国大使館は、英メディア監督部門「英国情報通信庁(OFCOM)」と連絡も取り、チャンネル4の株主会に抗議の書簡をも出すと強調した。

事前に中国大使館へドキュメンタリーを提出しなかったことで、中国当局が不満を示したことに対して、チャンネル4は中国大使館へ事前に映像を提出する義務はないと回答した上、国連人身売買問題顧問ケビン・バルス(Kevin Bales)氏がドキュメンタリーの中で、中国は毎年少なくても7万人の児童が誘拐または売買されていることを含む計3ページの証拠書類も提出した。

中国大使館の報道参事官・趙上森氏は、チャンネル4に宛てた書簡の中で、児童の人身売買は中国の一人っ子政策とは無関係だとし、ドキュメンタリーにある一部の内容は「極めて大きい欠陥があり、無知または簡単すぎるのだ」と指摘した。また、「中国に対してあれこれと批判すること」は良い結果をもたらさないと脅かした。

これに対して、チャンネル4は、今回のドキュメンタリー放送終了後に、中国大使館に対して適切な回答をすると示した。

チャンネル4は、1982年に英国で四番目のテレビ局(民放としては2番目)として開局。今回のドキュメンタリーの制作チームによると、実は90年代の半ばころに中国で一人っ子政策に関するドキュメンタリーも制作した。中国国内で2番目に生まれた子供は孤児院に置いて行かれたり、遺棄されたりした状況の内容だという。このドキュメンタリーは当時、中国政府および英保守党政府間の外交衝突を引き起こしたという。

(記者・周成、翻訳/編集・余靜)
関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]