「千山 鳥飛ぶこと絶え」~冬至に寄せて~
【大紀元日本12月22日】
柳宗元【江雪】
千山鳥飛絶
萬径人蹤滅
孤舟蓑笠翁
独釣寒江雪
[書き下し文]
千山 鳥飛ぶこと絶え
万径 人蹤(じんしょう)滅す
孤舟 蓑笠(さりゅう)の翁
独り釣る 寒江の雪
[現代語訳]
見渡す限りの山々には、鳥の飛ぶ姿も見えず、
雪の積もったどの小道にも、人の足跡は見られない。
蓑笠をつけた老人が、小舟を川に浮かべて、
雪の降る寒江で、独り釣り糸を垂れている。
これは、中唐の詩人・柳宗元が、永州に流されていたときに作ったもので、釣り糸を垂れている老人に自身の姿を重ね合わせ、当時の不遇の心境を詠んだものと言われています。
あたり一面真っ白の銀世界の中を流れる一筋の川(寒江)。飛ぶ鳥もなく、ただ深々(しんしん)と雪が降る静寂の中、川面に浮かぶ小舟から糸を垂れる一人の老人。山水画の世界に「無音」(静寂)という音を織り交ぜ、目と耳でも味わわせてくれる作品です。王維や韓愈と並び称されただけあって、見事というほかありません。
今日は冬至。このところ、日本列島も各地で雪の便りが聞かれ、いよいよ冬本番。読者の文月さんから「寒中」第二段が届きました。最後の句など、冬三日月の懸かる澄んだ夜空に響き渡る拍子木の音が見事に詠み込まれています。
寒中(その二)
作:文月
寒行の 手水かけられ 観音様
世々の願いは 今も変わらじ
寒行の 一丁褌の はらからの
東京湾の 海ぞ温まる
甘蔗狩り 檀家集いて ぜんざいの
すすりて楽し 冬至の日
響きたる 夜のしじまの 夜鳴きそば
駆け寄る人の 足音ぞ侘びし
冬三日月 息もて白し 自警団
拍子木の音の 響くしじまに
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お題:自由
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(編集・瀬戸)
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