【ハーブティーを楽しみましょう】(5):西洋オトギリソウ

【大紀元日本4月29日】「のどが痛いの?じゃ、サルビアのお茶でうがいなさい」「眠れないの?じゃ、ホップと鹿の子草のお茶を入れてあげましょう」という風に、ドイツの家庭では小さな症状が出たら、すぐに常備してあるハーブティーが登場します。古くから伝わる薬草の文化が現代の生活にも活きているのです。薬草の権威、M. Pahlow氏のレシピーを参考にドイツのハーブティーをご紹介しましょう。

西洋オトギリソウ(Hyperici herba)

オトギリソウ(絵・前田純子)

今回は西洋オトギリソウ、ハーブ名としては、単にオトギリソウまたはセントジョンズワートと呼ばれています。西洋オトギリソウ(以下オトギリソウ)は、日当たりの良い傾斜地や水はけのよい草地、道端などに自生する多年草で、ヨーロッパ全域と中央アジアに分布しています。高さは25cmから90cmに伸び、6月から9月にかけて、黄色あるいはオレンジ色の花を付けます。見分けやすい特徴を持った植物で、茎は丸や四角ではなく、二つの角を持ち、葉っぱには、光に透かすと穴が開いたように明るい点々が見られます。花は指でつぶすと、血のような赤い色になります。花が咲いている6月ごろに根から数センチ上がった辺りで切り採り、束ねて風通しの良い軒下などにつるして乾燥させます。

〔効用〕

オトギリソウに多く含まれているヒペリシンには、消化器および胆嚢の内分泌を高める働きがあるので、胃・腸・胆嚢の不調を改善します。また、鎮静作用もあるので、軽いうつ症状にも効果があります。オトギリソウ茶療法(下記)の後は、明らかに気分が軽くなるといいます。そのため、オトギリソウは植物の抗うつ剤とも呼ばれています。

〔オトギリソウ茶の作り方とオトギリソウ茶療法〕

オトギリソウ、茶さじ2に水カップ(大)1を注ぎ、火にかけ沸騰させます。

数分置いた後、茶漉しでこします。オトギリソウ茶療法は、このお茶を1日2回~3回、数週間飲み続けます。このハーブティーを続けて飲むと、肌が日光に敏感になるので、続けて飲んでいる間は直射日光をさけてください。

〔有効成分〕

芳香油、ポリフェノール、ヒペリシン 他

(エリカ)

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