【ハーブティーを楽しみましょう】(6):ホップ

【大紀元日本5月16日】「のどが痛いの?じゃ、サルビアのお茶でうがいなさい」「眠れないの?じゃ、ホップと鹿の子草のお茶を入れてあげましょう」という風に、ドイツの家庭では小さな症状が出たら、すぐに常備してあるハーブティーが登場します。古くから伝わる薬草の文化が現代の生活にも活きているのです。薬草の権威、M. Pahlow氏のレシピーを参考にドイツのハーブティーをご紹介しましょう。

ホップ(Lupuli strobulus)

ホップ(絵・前田純子)

今回はホップ、あのビールの原料のホップです。和名は西洋カラハナソウ。

ホップはアサ科の多年草で、右巻きの長い蔓を伸ばして成長します。雌雄2種類あり、雌の株には、松ボックリのような形の花がつきます。ビール用に、あるいはハーブとして用いるのも、この花の部分です。原産地は西アジアといわれていますが、ヨーロッパでも多く自生します。現在は、ビールの原料として広く栽培されていて、日本でも北海道や東北地方などの寒冷地で栽培されています。開花は夏で、ハーブとしては、開花後すぐに収穫して乾燥させます。

〔効用〕

ビールの爽快な香りと苦味はホップに含まれる成分によるものですが、味や香りだけでなく、ホップは雑菌の発生を抑え、殺菌作用、防腐作用もあるので、ビールに使われるようになったといいます。

ハーブとして用いると、鎮静効果があり、睡眠を持続させる働きがあります。ホップの収穫時に、眠くなりそのまま野原で寝てしまったという話もあります。私の祖母は90歳ですが、ホップと鹿の子草のお茶を飲んで寝ると、朝までぐっすり眠れて、夜中に目が覚めないといいます。また、最近の科学的な成分研究では、エストロゲン作用により更年期障害の症状を緩和する、胃液の分泌を促す、糖尿病患者のインスリン受容を改善するなどの働きもあるということです。

〔高齢者の睡眠障害に効果的なミックスハーブティー〕

バレリアン(鹿の子草)20

ホップ 10

フェンネル 10

ラベンダーの花 10

この割合でミックスハーブを作り、茶さじ2に250ccの熱湯を注ぎ10分蒸らします。就寝30分前に飲用します。ハーブは数種類をミックスすることによって、効果が高まるといいますが、ホップと鹿の子草だけでも充分効果があります。

〔有効成分〕

芳香油、苦味素、ルブリン

(エリカ)

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