清代古墓、民家の中から発見される=中国・重慶

【大紀元日本8月19日】先ごろ重慶市沙坪壩小龍坎で清代の豪華な古墓が発見された。墓室の蓋石だけで1トンあるこの立派な古墓は、以前は完全に民家の中に隠れており、墓室の上はレストランになっていた。また、墓碑は民家の裏壁になっていたという。

「重慶晩報」によると、この古墓は小龍坎の康寧村地域の道路に面した山の斜面上にあり、一帯は現在、街の改造のためにがれきが散乱している。近くに住む楊さんの話では、以前、墓の前には左という人が住んでおり、その家の裏壁が正しく古墓の碑楼だったという。碑楼は現在3mあまり残っており、3つの墓碑と八の字形の壁、反り返った軒先、レリーフからなっている。ただ、長い間煙で燻されたせいで碑楼の上半分は真っ黒になり、レリーフはほとんど見えなくなっている。

墓の主は清代「従五品」官

今年7月、市の考古学研究所がこの古墓の発掘を行った結果、3つの墓室と1つの碑楼が発見された。墓碑に刻まれた内容から見て、墓の主は清代の「従五品」官であった王紹宗とその家族だと考えられている。3つの墓室は「品」字型に並べられており、下の2つの墓室には王紹宗とその妻が、上の墓室には王紹宗の母親が葬られていた。「品」字型の配列が重慶の清代の墓で発見されるのは極めて稀であり、主人の強い儀礼観念がうかがわれるという。

棺の底に刻まれた「北斗七星」

発掘関係者の話では、墓室の蓋石は長さ3・6m、重さ1トン以上あり、それを開けるために大型クレーン車を用意したそうで、「当時の墓にかけた人力と財力がうかがえる」という。

発掘された清代古墓の墓室の中(ネット写真)

この豪華な古墓の面積は100平方メートル以上あり、2つの墓室はすでに盗掘されていたが、棺の保存状態は3つとも良好で、妻の墓室からは多くの磁器と玉製の品々が発見された。夫人は服を五重に着ており、頭には帽子を被っていた。夫人のそばには玉でできた飾玉、ブレスレット、ボタンなどが置かれており、その工芸は大変精巧で美しいものだという。

また、3つの棺の底にはそれぞれ異なる形状の不思議な図案が発見された。そのうち、王紹宗の棺の底には北斗七星に似た天文図案が彫られ、7つの透かし彫りの穴が折れ曲がった線上に配列されていた。専門家の話では、「北斗七星」は死者に魂が昇ってゆく方向を示すシンボルではないかと推測しているという。

(翻訳・坂本)

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