知られざる「4・25」の真実:中共に操作された日本メディアの盲点

【大紀元日本4月27日】

真実からの甚だしい乖離

今から10年前の1999年4月25日、中国・北京の中心部で、世界の注目を浴びる事件が起こった。

一般に「中南海事件」と呼ばれるこの事件は、当時日本でも大きく取り上げられた。しかし、その真相は今日に至っても正確に伝えられておらず、日本の主要メディアでさえ中国政府の発表する内容の域を出ない報道に留まっている。

その内容とは、概ね「1万人を超える法輪功学習者が、中国政府に抗議するため、組織的に集結して中南海を包囲し、座り込みなどの示威運動をおこなった」というものである。

そしてその後の展開として、この事件に「驚愕」した中国共産党(中共)が、法輪功を反社会的な「邪教」集団として非合法化し、同年7月20日より法輪功を禁止、違反者への取締りを始めた、というのが日本でも一般的な認識とされてしまっている。

しかし、その認識は真実とあまりに乖離していると言わざるを得ない。

そのような現状は、日本の主要メディアとされる各社が、中共当局による「反法輪功」キャンペーンの影響を少なからず受けているとともに、一方の当事者である法輪功に対して、直接的な取材および正確な検証を怠ってきたこと如実に示している。

10年前、隣国中国で発生したこの事件の真相が、今なお日本で伝えられていないことは、日本の主要メディアの失態であり、日本国民をミスリードしてきた責任は免れない。

すべての問題は中共の悪魔性にある

法輪功(正式名、ファルンゴン)は、創始者・李洪志氏が、中国伝統文化の一つである気功の中から秘伝とされてきたエッセンスを抽出し、誰でも学びやすい五式の功法に集大成して、1992年ごろから一般に公開普及してきたものである。

これは、あくまでも佛家修煉功法の「気功」であり、いわゆる仏教およびその他の宗教とは根本的に異なっている。

法輪功は、実際に健康効果も高いことが証明されており、迫害が始まる以前には中国政府の関係機関から何度も表彰されるなど、法輪功の実力は中国社会において広く認知されていた。また、法輪功学習者が新しい人に教えるに当たっては、謝礼の金品を受け取らない、政治に参与しない、自己流のものを入れない、などの禁止事項が厳格に守られていた。

その自然の結果として人々の圧倒的な支持を獲得し、90年代を通じ、一般庶民から政府高官や軍の関係者も含めて、中国社会の各層で法輪功を学ぶ人が爆発的に増えたのである。

法輪功の目指すものは、単に病気治療などの健康効果に留まらず、気功の修煉を通じて「真・善・忍」という宇宙の特性に同化し、精神を安定させ、道徳性を高め、善良な市民として社会に貢献しようとするものである。もちろん自殺など絶対にない。

従って、中共が喧伝するような反社会的な要素は一切なく、まして、法輪功を学んだために精神異常を起こし凶悪犯罪や焼身自殺を図ったなどのおぞましい報告は、すべて中共の捏造によるものであると断言できる。

仮に、「法輪功の元学習者」と称する人物が中国のテレビなどで法輪功の「害毒」をさかんに並べ立てていたとしても、それは中共当局の「やらせ」か、恐るべき洗脳や改造の「作品」であると疑うべきであろう。

中共の恐るべき罠(わな)

政治に参与することを禁じている法輪功が、今日、世界各地で中共政権に対して反対しているのは、法輪功学習者への人権迫害という理不尽があるからに他ならない。

法輪功学習者1万人が集まった「4・25」にも、もちろん理不尽な原因があった。

前中国共産党総書記で前国家主席の江沢民は、もともと国民に全く支持されない政治家であるうえ、その狭隘な精神からは異常なほどの猜疑と嫉妬しか生み出せないという、中国国民にとっては最悪とも言える国家元首であった。

その江沢民指導下の中共は、ますます人気の高まる法輪功に対して、すでに96年ごろから監視の目を光らせ、法輪功関係の書籍の出版を禁止するなど圧力をかけ始めていたのである。

言うまでもないが、法輪功が取り締まりを受ける理由は、この時点から今日に至るまで一切ない。

すべては、江沢民と中国共産党および共産主義のもつ悪魔性が、中国伝統文化に基づいて善良な人間になろうとする法輪功に対して、黒い牙を剥いたことによるのである。

その「4・25」の直前の4月11日、江沢民の一派で中央政法委員会副書記(当時)・羅幹の親族である何祚庥が、天津師範大学の出版物に法輪功を誹謗中傷する文章を発表した。法輪功を学んだ知人が精神に異常をきたして自殺した、という内容だった。

4月23日、天津の法輪功学習者らが真相を伝え、訂正を求めようとしたところ、警官に殴打され、45人が逮捕拘束された。

不当拘束された45人の釈放について、天津の警察当局が「北京へ陳情せよ」と言った。25日早朝、天津の指示に従って北京に着いた法輪功学習者を、北京の警察は察知していた。大勢の人が来ることも予想していた。警察は、陳情所のある場所から誘導し、中南海の壁に沿って待つように指示した。法輪功学習者は、すべて警察の指示に従った。その場で座禅を組み、法輪功の本を読んで静かに時を待った。

つまり中共は、4月25日に不意を突かれて「驚愕」したのではなく、すべて予定通りに「法輪功学習者1万人が中南海を包囲して座り込みの抗議」すなわち「囲攻」という罪状を作りあげ、恐るべき弾圧の序章を描きつつあったのである。

この時点で、人の善を信じる法輪功学習者たちは、中共の陰謀に全く気づいていなかった。因みに「囲攻」とは、中国語で包囲攻撃を意味する軍事用語である。

日本メディアの多すぎる盲点

一点、補足しておきたい。

日本でも驚愕的数字と受け取られた「1万人」という数字についてである。

当時中国全土で1億人、北京だけでも数十万人いたとされる法輪功学習者のなかで、たった1万人集まることなど、実はいとも簡単なことなのである。

法輪功を修煉する人々は、お互いを「同修」と呼んで深く思いやる。その同修が天津で拘束されたと聞けば、中国全土の法輪功学習者がそのことを心配する。その年の4月25日は日曜日であったから、当然、動ける人は自発的に動く。

つまり、同修間の「声かけ」はあったとしても、北京以外からバスをチャーターして来た人々も含めて、それは法輪功学習者の自然な感情によるものであり、日本で報道されているような「法輪功が組織を動員した」のではないということである。

「4・25」は、法輪功の抗議ではなく、陳情であった。

組織を動員したのではなく、自発的行動の結果であった。

中南海を包囲したのではなく、警察がそこへ誘導した。

座り込みではなく、座禅を組んでいた。

示威運動ではなく、終始秩序正しく静かであった。

中共は、事前に察知しており「驚愕」などしていない。

中共の法輪功弾圧はすでに決まっており、また始まっていた。

その口実作りが「囲攻」捏造であった。

この時、陳情に参加して現場にいた周琳娜さんによれば、法輪功学習者の解散があと3時間遅れたら、おそらく89年六四天安門事件のような流血の惨事になっていたという。

中共に操作される日本メディアの無自覚

2009年4月26日の読売新聞朝刊に、次のような記事が出た。タイトルは「中国 法輪功なお厳戒 中南海包囲から10年 抗議行動封じる」とあり、北京の杉山祐之記者が書いたものである。

「1999年4月に気功集団「法輪功」メンバー約1万人が、北京・中南海(中国共産党中央委員会と国務院の所在地)を包囲した事件から、25日で10年がたった。政権はこの日、天安門広場などで厳戒態勢を敷き、大規模な抗議行動を封じた。組織的に党に挑戦した法輪功への警戒は、今も緩んでいない。政権に非合法化された法輪功が抗議を繰り返してきた同広場では、制服、私服警官が、観光客の群れの中で目を光らせた。広場中央には消火器が並べられた。2001年にあったような法輪功メンバー集団焼身自殺への対策とみられる。(後略)」

「4・25」について、日本メディアがこれまで伝えてきた誤謬については、すでに述べた通りである。あとは各メディアが、ジャーナリズムの良識に従って自己是正できるかどうかが試される。

10年前の「4・25」について論ずるのが本文の趣旨であり、それ以外についてここで述べる紙幅を持たないが、引用した読売新聞の記事のなかに報道者として致命的な欠陥があるので、これだけは指摘させていただく。

「広場中央には消火器が並べられた。2001年にあったような法輪功メンバー集団焼身自殺への対策とみられる」と杉山記者は書いているが、これは完全に中共の術中にはまって「書かされた」のである。

広場に並べられた消火器は、この日のための焼身自殺対策では全くなく、読売新聞の杉山記者を含む外国メディアに見せるためのものに他ならない。

その中共の目的とは何か。まさに、「2001年にあったような法輪功メンバー集団焼身自殺への対策とみられる」という一言を本国に発信させるためであり、これによって日本の主要メディアの一つである読売新聞は、中共に操作される悲しむべき新聞となってしまった。

無自覚のうちに「法輪功メンバー集団焼身自殺」を、「2001年にあった」事実と認めてしまった読売新聞の罪は極めて大きい。

これこそが日本国民に対するミスリードの典型なのである。

2001年1月23日に天安門広場で発生した5人の焼身自殺事件は、中国国営の新華社が法輪功学習者によるものであると伝え、その1週間後から、中国中央テレビが衝撃的な映像を全中国に向けて繰り返し放映した。

しかしその映像を詳細に分析した結果、法輪功の「狂気」を演出するため中共が仕組んだ「やらせ」の可能性が極めて高いことが、すでに判明しているのである。そうだとすれば、演技者さえも犠牲にする恐るべき「やらせ」であるが、中共はそれを迷わずにやる。

大紀元時報連載社説『九評共産党』は、中国共産党の悪魔的本質を「嘘と暴力」であると看破した。

「嘘と暴力」の中共にとって「やらせ」映像など朝飯前であることを、10年間「囲攻」に騙され続けてきた日本のメディア各社は、よく自覚されるよう希望する。

併せて、中国報道において、真実を報道するというメディアの使命を果たされることを切に願っている。

【映画「偽火」】




 





(江沢民および曾慶紅、羅干らが2001年1月23日の午後に、“天安門焼身自殺事件”を作り出してから法輪功に罪を着せ、全世界を震撼させた。極めて影響の悪い“天安門焼身自殺事件”は江沢民政権が法輪功を無実の罪に着せるための最も大きな嘘であり、これを通して真相を知らない人々に法輪功へ憎しみを抱くように煽動し、法輪功を迫害するために口実を作り、そして迫害を深めるに至った。“天安門焼身自殺事件”の真相については、国際教育発展組織(IED)が2001年8月14日に:“天安門焼身自殺事件”は“中国政府の作り上げたものである”とし、そして真相のコピーを準備し、人々に自由に取ることができるようにした。2003年11月に、“天安門焼身自殺事件”の嘘を暴露する映画『偽火(False Fire)は、第51回コロンビア国際映画祭の栄誉賞を受賞した。中央テレビの録画のスローモーションからの分析により、多くの不合理な点が発見された。焼身自殺者である劉春玲さんは人に頭の後部を打たれてその場で死亡し、数名の焼身自殺者は全く法輪功学習者ではないことがわかった)





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