新型インフルエンザ、警戒度を6に引き上げ=WHO

【大紀元日本6月12日】世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は日本時間12日未明、新型インフルエンザの警戒度を現行の「フェーズ5」から、世界的大流行(パンデミック)を意味する「6」へ引き上げると発表した。

インフルエンザのパンデミック発生は、世界中で約100万人が死亡した1968年の香港風邪以来41年ぶり。

チャン事務局長は会見で「感染の状況はフェーズ6の条件を満たしている」と話し「今後の感染の拡大は避けられない」とした。

事務局長は「(新型インフルエンザは)重症度からみると世界的に中程度となっている」と述べ、国境封鎖や旅行・貿易を制限しないよう呼びかけた。

WHOの事務次長補・福田敬二氏は、警戒度のアップはあくまでも感染地域の拡大に準ずるもので、感染症がさらに悪化したわけではないとし、各国が大流行に備える対応は必要で、警戒度のアップによる恐慌を避けるべき、と示した。

各国の感染状況

6月8日までの統計によれば、メキシコでの同感染症による死亡者数は最も多い、108人に達する。一方、その感染者数は6千人あまりに留まっている。

南米のその他の国では、チリには2人が死亡、コスタリカとドミニカには、それぞれ1人が死亡。

米国は感染者数が最も多い国、確認された感染者数は13,200人、うち、27人が死亡。

カナダで確認された感染者は2,100人を超え、うち、3人が死亡。

オーストラリアは北米に続いて、感染者数が最も多い国。過去の1週間に、感染確定人数は4倍も増加、6月9日までの感染者は1200人を超えた。

香港は6月8日、4人の感染を新たに確認した。うち、一人は中学生。同じ学校には、8人の生徒も感染の疑いがもたれている。香港政府は幼稚園を含め、学校の閉鎖を検討しているという。8日までに香港で確定された感染者は49人。

台湾では32人の感染が確認されている。

中国本土では、6月10日までに公表された感染者数は103人。死亡者数は不明。

4月24日、WHOが、メキシコで新型インフルエンザ感染を疑われる死者が多数出ていると発表した。現時点において、同機構によると、その感染者は全世界で2万7737人、死者は141人に達する。

(翻訳編集・叶子)
関連記事
トランプ氏が構想する「ゴールデンドーム」は米本土をICBMから守る壮大な計画だが、現状の兵器テスト体制は理想から程遠い。幻想と現実の乖離が浮き彫りに
国際金融協会(IIF)が6日に発表した最新の報告書「グローバル債務モニター」によれば、2025年3月末時点で世界の債務残高が324兆ドル(約4.6京円)に達し、過去最大を記録した。
米下院が法輪功保護法案を全会一致で可決。中共による臓器摘出への制裁措置を明記。今後、上院可決と大統領署名が焦点。
EUとアメリカの貿易交渉が進展。関税撤廃と引き換えにEUはアメリカ製品購入を増やす可能性。中国製品流入への警戒も強まる。
ルーマニアの大統領選挙が5月4日に行われ、右翼候補者のジョージ・シミオン(George Simion)氏が第一回投票で約40.6%の得票率を獲得し、リードした。