オバマ米大統領、アジア歴訪 注目される日米中関係

【大紀元日本11月14日】オバマ米大統領が就任して初めてのアジア訪問が13日から始まった。日本、シンガポール、中国、韓国への1週間余りの歴訪は、中国が国際社会で経済的、軍事的に増強しつつある中、米国の利益にとって東アジアを重視する信号であるとみられる。

13日からの日本訪問はまるで「トンボ返り」のように短い。これまで、鳩山首相が打ち出した、反テロのための軍艦への援助打ち切り、米軍基地(普天間飛行場)の移設問題、「東アジア経済共同体」の提案等から、日米関係は多少疎遠になっていた。

この関係を改善するために、鳩山首相は5年間で最大5千億円の対アフガニスタン支援策をアピールするなどして、日米関係の親密化を図るとみられる。鳩山政権樹立から2カ月経った現在、当初の「親中疎米」論調は低下し、日米同盟を強調する前自民党政権の政策に戻りつつあるように見える。

一方、オバマ大統領の今回のアジア歴訪では、中国との関係が最も注目される。オバマ大統領は9日、今回の訪中で胡錦濤中国国家主席と気候変動、貿易、人権等の問題について話し合うことを明らかにした。

これまで、米国は中国に対して史上最大の経済制裁を行っている。一方、中国側は人権問題に対して沈黙し続けている。オバマ大統領の訪中で米中貿易摩擦問題および人権問題改善の行方が外界の注目を集めている。

今回のオバマ大統領訪中について、中国メディアは大きく報道しながら、中国が世界金融危機の中で「強勢を表した」ことを強調しているが、そんな中、中国政府はオバマ氏の訪問を利用して中国経済を飾り立てていると批判する声も聞かれる。米人権団体「Conscience基金会」は、オバマ氏訪中前に発表した公開状で、米中間の経済協力関係は、実際には「中国の人権改善を助ける」という見せかけの衣をはおっていると批判した。

一方、11月6日、400人を超える中国国内外人権活動家らが連名の書簡を公開し、オバマ大統領に対して、訪中時に中国の悪化している人権状況に関心を寄せるようよびかけた。同書簡には、中国当局に拘束されている政治犯や新聞記者の真相、ならびに「六四天安門事件」の真相を明らかにするとともに、宗教への迫害、少数民族間との対話などについて書かれている。さらに関心を寄せて欲しい中国の良心的囚人および北京訪問期間中に会見して欲しい民間人リストも添付した。

(翻訳編集・余靜)
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