北京市の最高地価、坪1440万円 北京を売ればアメリカが「買える」か

【大紀元日本1月27日】中国各地の不動産市場で昨年、その都市の最高地価をはじき出す「地王」と呼ばれる土地が話題になった。その中でも、北京市朝陽区にある北京商務中心区(北京CBD)の中心エリアでは、坪1440万円(35万元/平米)の中国土地市場の最高値を記録した。24日付の中国経済週刊は、昨年の中国の地価高騰の様子について、「北京の土地を売り払ったら、アメリカも手に入る。上海も付け加えたら、日独仏英も買えてしまう」と表現した。

各地域に最高地価の「地王」が君臨

約4平方キロメートルの北京CBD地区。その中心エリアの6筆、合計5万2583平方メートルの土地が昨年、181億4千万元の価格で販売契約された。これは坪単価1440万円という計算になる。

北京CBDの破格の高値を除き、各地域には、その地域の平均的な土地価格をはるかに超える「地王」という名の土地が存在する。昨年新築の建物の坪単価(土地と建物の合計価格を建物面積で割る)について各地の地王を比べると、全国でもっとも高いのが上海市で、坪単価が220万円に上り、杭州市の坪153万円、北京市の坪123万円がそれに続く。

地王の君臨は北京や上海のような一線都市だけでなく、武漢、南寧、昆明などの二線三線都市にも存在する。昨年11月、「南方の財都」と呼ばれる浙江省温州市で約4万平方メートルの土地と総建築面積10万平方メートルの建物が462億円で落札されていた。

経済専門家の李開発氏は、「地王の頻出は、地価高騰のもっとも顕著なシグナルである。多くの企業が土地市場で大胆に大金を費やしているのは、市場が上り調子にあると見ているからだ」と指摘した。

北京の土地を売り払ったら、アメリカが「買える」

かつての日本のバブル絶頂期にも「東京23区全部の地価は、アメリカ全土の地価と同じ」と言われたように、いま、北京の土地をすべて売り払ったら、アメリカが丸ごと買えるほどだという。

昨年北京の土地売買による総収入は1641億元で、契約された土地面積は2061万平米。つまり、北京の土地の平均価格は平米あたり8000元(坪単価33万円)ということになる。北京市の総面積を掛けると、その総額は130兆元(約19兆7000億ドル)となる。

一方、2010年のアメリカのGDP総額は14兆5000億ドルと予想されている。つまり、北京の土地を売れば、アメリカ1年分のGDPを超える金額が手に入る。

さらに上海市も加えると、両都市の土地総額は199兆元(約30兆ドル)になり、米日独仏英という世界でもっとも発展している5カ国の合計GDPの28兆7000億ドルをも超えることになる。

不動産アナリストの張冬峰氏は、「これはかなり危険な状態だ。投資と消費は不動産に依存する部分が大きすぎる。多くの資金が、儲けの速い不動産業に流れ、それが中国経済を左右する業界になっている」と警戒し、次々と更新される最高地価は「中国の不動産バブル危機の程度を表している」と指摘した。

85%の世帯は住宅を購入する能力がない

一方、昨年12月に発表された中国社会科学院の報告によると、中国都市部の世帯所得に対する住宅取得価格比は8.76倍にも達し、85%の世帯は住宅を購入する能力がない。

在米の中国人経済学者・何清漣氏は、中国の不動産価格は消費者の購買能力や市場の需要と完全にかけ離れており、その実態は「政府やデベロッパー、個人投資家により作り上げられたバブルと偽りの繁栄」だと指摘した。中国の多くの不動産政策は見かけ上は、価格抑制のために制定されているが、実際の施策ではむしろバブルを維持するように働きかけている、と同氏は批判した。

(翻訳編集・張凛音)
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