中華料理の名品 小籠包

【大紀元日本4月16日】

 小籠包(しょうろんぽう)は、上海、常州、無錫、蘇州、杭州、南京、江西などの江南地域で有名な点心の一種で、世界各地の中華料理店で食べられている。

 小籠包の起源

 小籠包の歴史は北宋時代に遡る。当時河南王楼の「山洞梅花包子」が小籠包の原型とされ、靖康事変以後、中国の南部地域に広がった。

 「南翔小籠包」が小籠包の起源という説もある。「南翔小籠包」は1871年、中国の嘉定県南翔鎮(現在の上海市嘉定区南翔鎮)の菓子屋「古猗園」の店主黄明賢が売り出したもので、その前身は「南翔大肉饅頭」だと言われる。その後、工夫を凝らして具を大きく皮を薄くした「古猗園南翔小籠」を販売し、たちまち有名な饅頭としてもてはやされた。当初より現在まで「南翔小籠包」と呼ばれ、これが今日の「小籠包」という名称となったという。

 小籠包の特徴

 小籠包は具に豚の挽肉を使い、薄力小麦粉で作った皮に包み蒸籠(せいろう)で蒸した料理である。大きさは一般的な肉まん(肉包子)と比べてかなり小ぶりで直径は約3センチ程度。特徴として薄い皮の中に具と共に熱いスープが包まれている。皮は小麦粉をよくこねたものを円形に薄く延ばして作る。スープは元々豚皮を煮込んで冷やした肉皮凍という煮こごりで、この肉皮凍が蒸籠の高温で蒸され、溶けてスープとなる。

  熱々の肉汁(スープ)を含んだジューシーな味わいがその最大の特徴となっている。蒸したてを火傷しないよう気をつけながら、スープをこぼさないように味わう。

  作り方は、具に白菜や、シイタケ、クログワイなどの野菜類やキノコ、エビやフカヒレなどを少量混ぜた豚の挽肉を入れる。豚肉の皮や皮下脂肪の部分を使うと、ゼラチン分が含まれる。この他、上海で名物となっている上海蟹の身を入れた蟹肉小籠や雌の内子を入れた蟹黄小籠もあり、高級品として特に珍重される。

  タレは酢または二杯酢に千切りにした生姜を混ぜる。すでに味付けされ、タレが不要のものもある。

 各地の小籠包

 天津の「狗不理包子」も小籠包の一種で、南翔小籠包と同じように長い歴史がある。1858年に売り出された「狗不理包子」は中国で最も歴史の古いブランドの一つである。

 「狗不理」とは「犬もかまわない」という意味で、「犬も食わない」という意味にも解釈できる。この変わった名前の由来に関して最も一般的なものは、幼少時に不運から守るため「狗子」と呼ばれていた創始者の高貴友が、美味しい包子作りに夢中になって、それ以外の事に一切構わなかった(不理)ことに由来するという説である。

 高貴友はブタ肉の赤身と脂身を3対7の割合で混ぜて具を作り、中に適量の水を混ぜて、更に豚骨と豚の腸で煮込んだスープを加える。調味料にはゴマ油、特製のしょう油、生姜、ネギなどを使う。こうしてできた具を半発酵の小麦粉で作った皮で包む。かつて、清朝の西太后が狗不理包子を食べてその美味しさを大いに賞賛し、名声が一気に広まったとされる。

 その他に、常州小籠包、杭州小籠包、無錫小籠包などの有名なブランドがあり、やはり長い歴史をもつ。無錫の小籠包はあらかじめ醤油で味付けされ、濃厚で甘い味が特徴である。

 大陸以外に、台湾にも小籠包の名店がある。台湾の台北市にある鼎泰豊レストランは1980年小籠包の専門店として設立されてから、小籠包を台湾と海外で広げるために積極的に努力してきた。 1993年、鼎泰豊は米国のニューヨークタイムズに世界に有名な十大レストランの一つに選出された。今では、すでに日本、韓国、米国、オーストラリア、東南アジアなどの多数の国家に出店している。

 

 (翻訳編集・東山)

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