中国で「江元主席の身柄拘束」写真がネットで話題

江沢民元国家主席が身柄を拘束された現場のような投稿写真が22日、中国版ツイッター「微博」などネット上に拡散され話題となっている。この写真の信憑性が疑問視されているにもかかわらず、多くのネットユーザーはこの写真がネット検閲で削除されないことから、当局が発した鮮明な政治的メッセージとして捉え、強い関心を示している。

また、写真に対して喜びの声が多いことから、これは人心や大勢が向かうところで、中国人は「最後の汚職大トラ」と言われる江元主席にその終局を期待しているとの見方もある。番組プロデューサーとして活躍している宋祥氏は「ニセ写真、真実を語るか」とのコメントを寄せた。

写真では、江氏が自力で歩けず、2人の男性に左右から抱えて助けられているようだ。両手を後ろにした動作により、連行される場面のようにも見える。

拘束現場の写真かどうかは確認できないが、政権交代時期の2012年末の第18回共産党全国代表大会以来、江氏が姿を現したいくつかの国内ニュースをみると、江氏がまとっていた衣装から、写真は2014年4月上旬の清明節に、故郷の楊州に帰って墓参した時の様子に似ていることがわかった。

中国のポータルサイト「新浪網」は同日、北京の党中央学校前に置かれていた、江氏の文字が彫られた巨大碑石が撤去されたと報じた。同校の警備局の職員は記者の取材に対し、「空けた土地について新たな建設計画がまだできておらず、しばらく芝生にする」と述べ、碑石撤去が急遽決定されたことを示唆した。

北京の党中央学校前に置かれていた、江氏の文字が彫られた巨大碑石が撤去された(ネット写真)

少し前の13日、上海空軍政治アカデミーにあった江氏の碑石も撤去され、当局は江氏の影響力を排除する姿勢を強めているとみられる。

米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は6月19日、江氏と親交が深い元米国駐中国大使、ジム・サーサー(James Sasser)氏の話として、これまで毎年、江から新年の挨拶を受けていたが、今年だけは何もなかったと報じ、江氏が当局に身柄を拘束されている可能性があると分析した。

一方、元序列3位、全人代委員長を務めた喬石氏、万里・元全人代委員長と尉健行・元党政治局常務委員が6月以来、相次ぎ死去したことに伴い、江氏が姿を現したことは一度もなく、毎回「ほかの都市から花輪をささげる」と報じられていた。

これについて、大紀元中国語版の専属コラムニスト・余春光氏は「体が動けないほどの重病になったか、またはすでに身柄を拘束されて体の自由を失ったという二つの可能性がある」との見解を示した。

(翻訳編集・王君宜)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]