【ぶらり散歩道】 –熊本篇– 「紙の芸術・ 山鹿灯籠」

温泉で有名な山鹿市ですが、もうひとつ名物があります。それは毎年8月の15日から17日にかけて行われる山鹿灯籠まつりです。頭上に金灯籠(かなとうろう)を載せた浴衣姿の女性の、ゆったりした民謡「よへほ節」のメロディーに合わせた優雅な踊りは見る人をうっとりさせます。期間中、踊りは山鹿市の各地で見られますが、山鹿小学校のグラウンドで行われる「千人灯籠踊り」が圧巻です。薄暗闇に千の灯が浮かび、櫓を中心にして渦のように流れ揺らめく、とても幻想的な光景です。

ところで、この灯籠は手作りで金・銀の紙だけで作られています。起源は室町時代までさかのぼり、その後の長い歴史の中で次第に精緻なものへと進化し灯籠だけでなく「神殿造り」「座敷造り」「城造り」など多様化していきました。材料は和紙だけを使い、少量の糊で仕上げていきます。灯籠を作る人を「灯籠師」と呼びます。カッコいいですね。一人前の灯籠師になるには十数年の時間を要するそうです。それだけに作品を見ると「えっ? 本当に紙だけで造っているの?」と驚いてしまいます。

精巧に作られた「和紙の芸術」作品をご紹介します。お楽しみください。

この灯籠を頭の上に載せて踊ります

 

上野東照宮 紙だけでこんなにも見事な表現が出来るんですね
古代の城を復元した鞠智城(きくちじょう)。大和朝廷時代に造られた肥後で最も古い城です

 

こちらは静岡浅間神社桜門 建物から人が出てきそうです

 

伝統を受け継ぐ灯籠師 紙とハサミと糊だけで素晴らしい世界を作り上げます

 

(文・佐吉)                        

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