深刻な不況にあえぐ中国造船業界 大手企業も破産
今月17日、江蘇省の舜天船舶股份有限公司(以下、舜天船舶)が破産宣告を行った。中国で株式市場上場を果たした造船所が破産したのは今回が初めて。中国では昨年から造船会社の倒産が相次いでいる。
昨年12月下旬、中国銀行南通崇川支店は舜天船舶が債務の返済期限を守ることができず、全資産を充当しても債務を完済できないとして、南京市中級法院(地方裁判所)に対し、同社の破産手続開始と債務整理を申し立てた。
舜天船舶の試算では、昨年の同社の最終赤字は、14年の18億元(約312億円)の約3倍にあたる49~58億元(850~1005億円)に膨らむ見通し。中国メディアは、同社では14年から受注額約60億元(1040億円)に相当する注文がキャンセルされ、15年には1件の受注もなかったため、深刻な経営難に陥っていると報じている。
また同社の関係者によると、工場はすでに生産停止状態にあるため、残っている小口注文に対応することすらままならない状態だという。
深刻な不況に陥っている中国造船業界。昨年、国営造船会社、舟山五洲船舶を筆頭に造船会社4社が倒産している。
中国船舶工業行業協会は、国内の造船業界が直面する問題として、受注難、納期遅れ、薄利、資金調達難の4つを挙げるとともに、15年の業界全体の受注量が前年比47・9%減の3126万総トンに落ち込んだことも発表した。
中国の造船業専門家は、造船会社が抱える最も大きな問題は、業界の急成長によってもたらされた生産過剰問題だと指摘している。
中国は近年、世界シェアの4割を占める有数の造船国家に発展し、ピーク時には数千社もの造船会社が軒を連ねていた。
(翻訳編集・桜井信一)
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