中国 密かに金を備蓄? 6年間で約5000トン購入
中国政府は、金の保有量は近年わずかに増えたと発表しているが、専門家はその話の信ぴょう性を疑っている。
香港からの最新データによると、2010年に中国本土に送られた金は119トンで、その後急増して2011年に428トン、2012年に832トン、2013年に1495トン、2014年に1095トン、2015年に992トン。この5年間、中国は香港経由だけで4842トンの金を輸入したということ。
米金融機関ウェルズ・ファーゴの商品開発チームの責任者ジョン・ラフォージ氏が、「中国が公表した備蓄量よりずっと大量の金を保有しているだろう」と、CNNに話した。
さらに、中国は世界最大の金産出国であり、毎年、海外から金を購入する一方で、国内でも大量に金を採掘している。ラフォージ氏によると、現在、世界で毎年採掘した金の4割は中国人が消費している。中国政府が大量の金を保有する目的は明らかになっていない。金を購入する中国の富裕層が増えているのを考慮しても、需要の急増を説明しきれないとCNNは指摘した。
中国では、1950年から2004年まで、金の個人所有が禁じられていた。金取引の国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は、中国で金の需要が高いが、輸入量はそれを遥かに超えており、中国政府が金を備蓄しているのではないかと指摘する。WGC最新調査によると、2015年の中国の金需要は985トンでトップ。2位のインドが849トン。
中国政府は金の保有量をめったに明かさないが、2009年春に1054トン、2015年7月に1658トンとそれぞれ公表した。しかし、2015年には3500トン以上の備蓄があるとブルームバーグ・インテリジェンス社は試算した。
ラフォージ氏は、石油に続いて金は恐らく世界で最も重要な商品であるため、中国政府が金に関する情報を外部にもらしたくないのだろう、と付け加えた。
現在、国際通貨基金(IMF)の働きかけにより、中国政府は毎月金備蓄量を報告しているが、1月には1778トンの備蓄があると公表した。
WGCによると、2015年12月時点で世界最大の金保有国はアメリカで8133トン。次いでドイツ、IMF、イタリア、フランスと続く。中国は公式発表どおりなら6位で、日本は9位。
(翻訳作成・単馨)