中国留学生の批判意識の欠如 共産党の洗脳教育が原因
欧米諸国の大学や研究機関に留学した中国大陸出身の学生は、一般的に健全な批判精神を持った論理的、合理的な思考つまり「批判的思考(critical thinking)」がないとされる。最新の研究によると、このことの根本的な原因は中国共産党(以下中共)による洗脳教育にある。
英教育誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」の2月10日付けの記事はノッティンガム・トレントの講師で中国生まれの張濤博士の研究を紹介した。博士によると、中国大陸から来た留学生の多くは教育を受ける段階で、中共による洗脳教育が原因で「批判的思考」ができない。
張博士は研究に際してノッティンガム・トレント大学にてメディア学を専攻する中国出身の大学院生をインタビューした。彼らの多くは中共の洗脳式宣伝を信じていないと話すが、批判的思考能力は非常に弱いという。
彼ら中国の大学では専攻科目以外に、思想教育となる「マルクス主義」、「毛沢東思想」、「中国近代史」そして「道徳、法律および公民教育」という4つが必修科目であったと話す。
高等教育ジャーナル(Journal of Further and Higher Education)に収録されている研究報告によると、これらの科目は「学生を政治的プロパガンダのターゲット」としており、学生が「健全な批判精神を形成し理性的な思考能力や推理能力を培う」機会を奪っている。
張博士の研究によると、インタビューを受けた16人の学生のうちの75%は中国にいたときは中共の洗脳式の宣伝教育を真剣に信じたのではなく、試験のために勉強しただけだと話したが、2人の学生は彼らの考え方は中共の洗脳教育の影響を受けたと話している。
洗脳教育の影響により、物事を分析するときは無意識的に公式主義的な思考方法に陥ってしまい、当局を批判する結論を出せないと2人は言う。一方で、彼らは現在意識的に他の思考方法を身に着けようと努力しているという。
張博士は、留学生が「批判的思考」に対する理解度を問われたとき、一人の学生はこの言葉をまったく知らなかったと話す。中国にいたときには聞いたことも無ければ、どのようにして「批判的」に思考するのかも知らず、何をしていいのか分からなかったのだ。
その学生はインタビューに対してこう話す。「いかなる意見もその根拠とそれをサポートするデータが必要であることを、イギリスに来て始めて知った。中国ではそうしなくてもいいから」
他の2人の学生は、中共が歴史教科書から意図的に1989年の天安門事件を削除したことを知るようになり、中共の宣伝に懐疑的な目で見るようになってきたと話した。
(翻訳編集・文亮/単馨)