5月末に5つの国際企業が中国から撤退、または資本引き揚げを決定した(大紀元合成写真)

外国資本企業、5月末相次ぎ中国から撤退

5月末、電機・家電製品メーカーで世界大手のフィリップスをはじめ、5つの外国資本企業が中国からの撤退を発表した。

5月30日の1日だけで、4つの国際企業が中国からの撤退と資金引き揚げを発表した。30日、家電製品メーカー世界大手のフィリップスが深センの工場閉鎖を決定した。同日、金属製携帯電話ケース世界シェアの8割を占める、台湾との合資会社である珠海及成通訊科技股份有限公司も倒産を公表した。

米半導体メーカーのフェアチャイルドセミコンダクターが、同じ業界の米オン・セミコンダクターに買収されたことで中国から撤退した。

1997年米国ナスダック市場に上場した玩具メーカーの東莞鑫達玩具礼品有限公司も倒産を公表した。

また6月1日、世界下着メーカー大手トリンプが中国市場からの資本引き揚げを決定した。

国内からの情報によると、外国資本企業の倒産と撤退発表に伴い、従業員の賃金未払い問題をめぐって、フィリップスを除く他の企業の従業員が抗議行動を行い、鎮圧にあたった警官らとの間で激しい衝突が起きたという。

国際企業の中国からの撤退と資本引き揚げの原因は、地価高騰、人件費上昇、課税増加にあるほか、中国市場の飽和と低迷で、競争がより激しくなり、出荷価格が年々押し下げられ、企業の赤字拡大につながったとみられる。

5月下旬、台湾の携帯端末メーカーの富智康集団(旧社名:富士康国際)の幹部や米アップル社のティム・クック最高経営責任者(CEO)はそれぞれ、公の場で中国にある生産ラインをインドに移転する意向を示した。

国内業界関係者は、外国資本の撤退により、6月から10月まで、国内製造業は新たに大規模な企業倒産と失業者急増に見舞われるとの認識を示した。また、その影響で物流などのサービス業にも打撃を与える恐れがあるため、失業者の急増で、中国の社会不安が一段と広がるとみられる。

(翻訳編集・張哲)

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