国有鉄鋼大手2社、合併に向けて協議
中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄集団と武漢鋼鉄集団は6月26日、両社は戦略的再建について協議をしていると公表した。これを受けて、上海証券取引所は27日に両社の上場部門の株式売買を停止した。
中国経済金融情報サイト「財新網」によると、合併を視野に入れた両社の戦略的再建は、深刻化する国内鉄鋼業における生産過剰問題の緩和を目的にしたものである。
また、国有企業で国内鉄鋼生産量2位の宝山鋼鉄と6位の武漢鋼鉄は、深刻な過剰生産で収益が大幅に減っている。公表された両社の決算報告によると、宝山鋼鉄の2015年通期決算の営業利益は前年比で約78%減少の約18億元(約288億円)。純利益は同83%減の約10億元(約160億円)。また同年武漢鋼鉄の最終損益は約75億元(約1200億円)の赤字だった。
業界関係者は両社の合併で競争が軽減され、互いに補給することができ、政府が主導する国有企業改革に合致しているとの見方を示している。合併について中国政府が批准すれば、鉄鋼生産量は現在中国国内1位である河北鋼鉄を超えて、国内1位となる。また世界鉄鋼最大手のアルセロール・ミッタルに次いで、世界生産量規模2位の巨大な鉄鋼生産企業となる。今後、鉄鋼業界における業界再編や企業合併のケースが増えていくとみられる。
「財新網」によると、昨年3月から当局は両社の一部の幹部に対して汚職や腐敗の疑いで調査、逮捕し、大幅な人事調整を行ったという。
(翻訳編集・張哲)
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