米がWTOに提訴、中国の「市場経済国」認定に難色
米国と中国の南シナ海をめぐるにらみ合いが、両国の貿易にまで延長されている様子。米通商代表部(USTR)は7月13日、世界貿易機関(WTO)に対して、中国が銅など9種類の鉱物に不当輸出関税を徴収したことで米国企業に打撃を与えた、と提訴したことを発表。
USTRは、米自動車産業や化学産業などが必要とする銅、鉛、黒鉛、アンチモン、タルク、タンタル、スズ、酸化マグネシウム、コバルトの9種類の鉱物に対して中国が5%~20%の輸出税を課したことで、米企業の生産コストが大幅に上昇したとし、価格の面で中国企業に対して有利にしていると非難した。
またロイター通信によると、米国は中国に対して「今年12月に中国が市場経済国として自動的に認定されるとは限らない」と通告した。米当局が、中国政府の鉄鋼市場などへの干渉で過剰生産と供給過剰を招き、他の国の企業に打撃を与えたと主張した。
2001年中国がWTOに加盟した際、各国との合意文書で15年間非市場経済国としての立場を受け入れた。非市場経済国であれば国内価格を人為的に安く抑えれる可能性から、WTOの反ダンピング基準は厳しいとされる。この合意条項は今年12月11日で失効の予定で、中国が自動的に「市場経済国」になるとされている。
欧州議会は5月12日に、中国を「市場経済国」に認定することに反対する決議を、定数751議席のうち賛成546票の圧倒的多数で採択した。一方で、欧州委員会は7月20日に中国の「市場経済国」認定について議論を始める。同委員会ジャン=クロード・ユンケル委員長は、EUが中国を「市場経済国」と認定するには、中国の鉄鋼生産能力の削減努力にかかっていると示唆した。
(翻訳編集・張哲)
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