鉄鋼・石炭業過剰生産削除、目標達成は非常に困難

中国国家発展改革委員会(発改委)が7月27日に発表した統計によると、6月末までの半年間で、国内鉄鋼業と石炭業が達した過剰生産能力削減規模はそれぞれ1300万トンと7227万トンとなった。当局が設定した通年削減目標の4500万トンと2億5000万トンの30%を下回った結果となり、12月までに残りの70%を達成するのは難しいとみられる。

その原因を分析すると過剰生産能力を削減するには、企業倒産、失業者と銀行不良債権の急増など地方政府や銀行が避けたい難題が生じるからである。

香港証券会社みずほセキュリティーズアジアの沈建光・チーフエコノミストは香港紙「明報」(8月3日付)に対して、中国国内一部の銀行は不良債権の急増を回避するため、引き続き過剰生産の企業に貸出していることを示した。また一部の地方政府は、すでに減産または操業停止になった企業に対して生産を再開させたという。これには昨年末指導部が過剰生産削減を主要経済任務と定めたことで、今年初めに在庫がやや解消され、鉄鋼と石炭価格が上昇したことも影響したとされる。

国内メディア「鳳凰財経」(7月28日付)よると、発改委は一部の地方政府はまだ過剰生産削除の具体的な行動を起こしていないとし、「下半期で通年目標を達成していくのは非常に困難だ」、「目標達成には時間が足りない」と焦りを隠しえない。

(翻訳編集・張哲)

 

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。