ドイツ政治
メルケル独首相 出馬表明 四期目を目指す
ドイツのメルケル首相は11月20日、来年度の総選挙に出馬の意を表明した。当選すれば4期勤めることとなり、戦後最長のコール政権に並ぶ。
メルケル氏は所属政党キリスト教民主同盟の上層部と会談した後に記者会見に臨み、ドイツ社会は現在、分化が進んだため来年の選挙戦は統一ドイツができてから最も困難なものになるとの見方を示した。同時に、「私は再び選挙にでる。私たちの価値観と生活のために奮闘する」と出馬の意向を表明した。
メルケル氏はEU内部の債務問題やクリミア問題、難民問題に取り組み、ヨーロッパ不安定期における安定政権と評価されている。国際政治、経済が揺れ動く中、同氏は上手く舵をとって人気を集めた。イギリスのEU離脱やトランプ氏の当選など不安定要素が山積みする中、同氏にはその安定した政治手腕が期待されている。
しかし難民問題はメルケル氏の続投を阻む難問であり続けている。特に去年末ケルンで発生した難民による集団強姦事件以降、ドイツ社会は難民の受け入れに疑問を呈するようになった。批判は同氏にも及び、ドイツのFocus誌の調査では再選を希望する国民は50%にとどまった。
シリアや北アフリカ、アフガニスタンからドイツに入国した難民は2015年度だけで100万人に上る。ドイツ内務省によると、今年6月までに39万人が難民申請をした。難民の受け入れを続けるメルケル政権は、路線変更を迫られるかもしれない。
ヘルムート・コール:戦後最長の4期16年に渡る長期政権を作り出したドイツ元首相。1930年生まれ。第二次世界大戦後にキリスト教民主同盟(CDU)に入り、政治家として活躍。コール氏は1982年に首相に就任すると、冷戦の終結とソ連解体、そして東西ドイツの合併に伴う様々な困難を切り抜け1998年まで現職。メルケル氏の助言者でもあると言われている。
(翻訳編集・文亮)
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