中国スターのファン・ビンビン、米逃亡の政商を訴える
中国の国民的スターである女優・範冰冰(ファン・ビンビン、35歳)は7月13日、「悪質な誹謗中傷を受けた」として、米国に逃亡中の中国人政商・郭文貴を、米国の弁護士を通じて訴えた。自身の事務所の声明を通じて発表した。郭文貴は最近、動画サイトなどで、ファン・ビンビンが習近平派の中央政治局常務委員に「性的な接待をした」との噂を流していた。
事務所は声明の中で、郭文貴の行動は「名誉を侵害する事件」にあたるとして、「情報のねつ造、中傷をただちに止め、情報流布に関する法的責任をとるよう」求めている。
事務所によると、訴訟を請け負うのはロサンゼルスの法律事務所「LAVELY&SINGER」。世界的に知られる米エンタメ界の商業訴訟を担当してきた。
郭文貴に対して、ファン・ビンビンは6日、中国ミニブログ「微博」で正面から対抗する姿勢を示した。「私は太陽の下で、闇から出てくるあなたとの対決を待っています。私には黒いものと対峙する勇気があります」。ネットユーザからは「あなたはまぶしい太陽だ」などの彼女を支持する声が相次いだ。
米国にいる富豪・郭文貴は、現地メディアや自身のSNSを通じて、共産党内や常務委員を含む高官らの内部情報を暴露し続けている。しかしニューヨーク・タイムスなど米メディアからは、その信憑性を疑問視されている。
郭は一連の発言で、「老領導」(党の指導部に影響力を持つ長老)を連発し、強力な後ろ盾がいることをほのめかしている。「老領導」とは、江沢民派の重鎮・曽慶紅前国家副主席との見方がある。
中国政府は4月、国際刑事警察機構(インターポール)を通じて、郭文貴を指名手配した。最近では、中国メディア「財新傳媒」の胡舒立編集長や、不動産開発大手SOHOトップ・潘石屹氏、中国コングロマリット・海航集団なども相次いで郭文貴に対して、名誉棄損や施工費の未払いなどで、米国で訴訟を起こしている。
(翻訳編集・佐渡道世)