中国北京で6万人が抗議活動 近年最大規模

中国北京市で24日、当局にねずみ講と認定された組織「善心匯」のメンバーは代表らの釈放を求めて、最高人民検察院(最高検)など政府機関前で、大規模な抗議活動を行った。

深セン市に本部を置く「善心匯」は慈善組織と自称しているが、実態がねずみ講で巨額の資金をだまし取ったとして、中国公安部は今月、摘発した。21日、代表の張天明氏と複数の幹部は拘束された。善心匯は貧困の救済として慈善活動用の資金を集めていると宣伝しており、中国国内では約600万人のメンバーがいるとされる。

「善心匯」の会員は摘発が不当だとして、21日から各地の会員が北京に続々と到着した。「善心匯」側は24日、約6万人が参加したと主張している。

会員らは連日、最高検や党中央紀律検査委員会(中紀委)など重要政府機関前で横断幕を揚げて抗議を行った。大半は24日警察当局に連行された。

米紙・ニューヨークタイム(24日付)は、同抗議活動の規模と時期は「普通とは違う」と指摘した。メンバーらは天安門広場から数キロしかはなれていない、北京大紅国際会議展示センターに集まった。今秋、共産党第19回全国代表大会(19大)を控え、当局は神経をとがらせている。

ニューヨークタイムズは「意図的に当局を困らせているように見える」と報じた。

(翻訳編集・張哲)

 

関連記事
「生きづらさ」に喘ぐ中国の子供たち。児童病院の「登校拒否外来」が大人気のうらには。
「車を木に登らせた」中国の自動車教習所。生徒誘致のためならフェイクも辞さず道徳なき生存競争の末路とは。
中国の成都で反共産党の垂れ幕が登場。四通橋事件以降、各地で民主を訴える市民が続出。中共政権への怒りが広がり続けている。
中国で「また」ガラスドア爆発。住民は数十針縫う重傷。
米中貿易戦争の激化とともに、中国当局が言論統制を強化。ネット上では「関税」「104」さえ禁句に。