海自艦と米空母が異例の長期行動、北朝鮮と中国けん制
[東京 2日 ロイター] – 海上自衛隊の護衛艦と米原子力空母が、西太平洋から南シナ海にかけて異例の長期行動を続けている。
北朝鮮の核・ミサイル開発と中国の海洋進出で東アジア情勢が不安定化する中、日米が緊密に連携する姿をアピールする狙いがあるとみられる。
海自は2日、護衛艦「さざなみ」と米原子力空母「ロナルド・レーガン」が9月29日から10月1日まで共同訓練を行ったと発表した。もともと9月11日から28日にかけ、関東の南方から沖縄周辺の海域で訓練を実施する計画を公表していたが、これを3日間延長。日米の艦艇はフィリピンと台湾に挟まれたバシー海峡を抜け、中国が影響力を強める南シナ海に入った。
海自艦と米空母が20日間にわたって共同で航行するのは異例。海自によると、現時点で確認できる2014年以降では最長だという。米海軍からはレーガンのほかに艦艇数隻が、海自からはヘリコプター搭載護衛艦「いせ」、護衛艦「あけぼの」、護衛艦「さざなみ」が1隻ずつ交代で参加している。
この後、レーガン率いる米艦隊は香港へ向かう。さらに朝鮮半島近海に展開し、韓国海軍と合同演習を行う。海上幕僚監部広報部は、海自の護衛艦がこの先も行動をともにするかは未定としている。
地域の安全保障環境が厳しさを増す中、安倍晋三首相はたびたび日米同盟の重要性を強調。9月には防衛省幹部を前に「米国とともに防衛態勢と能力の向上を図るべく、具体的な行動をとっていかなければならない」と語っていた。
(久保信博 編集:田巻一彦)
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