カタルーニャ州、議会選挙を検討 中央政府は自治停止の方針変えず

[マドリード 24日 ロイター] – スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立問題を巡り、同州の議員は24日、中央政府との協議こう着を打開するため、プチデモン州首相が議会を解散し、選挙を実施する可能性があることを明らかにした。

ただ、中央政府関係者は、カタルーニャ州が選挙を実施しても、同州の自治権を停止する方針は変わらないとの立場を示した。

カタルーニャ州議会は、中央政府が同州の自治権停止の手続きを進めていることへの対応を26日に協議する予定で、アナリストの間では、正式な独立を宣言する可能性があるとの見方が多い。

プチデモン首相はこれまでのところ、選挙の可能性に言及していないが、同政権で連立を組む左派政党CUPの議員は記者会見で、プチデモン氏が選挙実施の選択肢を積極的に検討していると述べた。

プチデモン氏は、選挙で独立推進派が勝利すれば自身の立場を強めることができ、敗退すれば面目を保ったまま身を引くことが可能になる。

スペイン政府は、カタルーニャ州が選挙を行えば第1歩になるものの、プチデモン氏は今月行った独立宣言も撤回する必要があるとしている。

カタラ法相はラジオのインタビューで、中央政府がカタルーニャ州の自治停止を決めたのはプチデモン氏に「重大な職務怠慢」があったと判断したためだと説明し、「選挙を実施するだけで全て解決するわけではない」と述べた。

その上で、プチデモン氏がスペイン議会上院に出席すれば、事態打開の一助になるとの見方を示した。

スペイン上院は24日、プチデモン氏に26日午後5時(日本時間27日午前0時)か27日午前10時(同午後5時)に上院に出席するよう求めたことを明らかにした。

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