クルド自治政府、バルザニ議長が退任表明
[アルビル/バグダッド 29日 ロイター] – イラク北部クルド自治政府トップのバルザニ議長が11月1日に退任する意向を示した。自治政府は9月にイラクからの独立を問う住民投票を実施。イラク中央政府や国際社会の反発を招き、混乱が続いている。
バルザニ氏はテレビ演説で退任を表明し「今でもペシュメルガ(クルド人戦士)で、独立のためにこれからもクルド人を助ける」と語った。
同氏の退任意向を受け、議会は29日に対応を協議。地元テレビによると、賛成が過半数を占め、バルザニ氏の退任が決まった。
テレビ演説でバルザニ氏は、9月25日に実施したイラクからの独立の是非を問う住民投票は正しかったと主張し、結果を消し去ることはできないと強調した。
住民投票では独立支持が圧倒的に多数だったものの、イラク中央政府は猛反発し、自治政府側が実効支配していた地域を相次ぎ制圧した。
中央政府が10月16日に、自治区外で実効支配していた油田地帯キルクークを掌握したことで、野党からはバルザニ氏に対する批判が高まっていた。
バルザニ氏は、2005年にクルド地域政府(KRG)の議長に選出された。2013年に2期目が終了したが、過激派組織「イスラム国」(IS)対策を理由に議長を続けてきた。
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