豪中銀、基調インフレ予想を下方修正 2%到達は19年初め以降

[シドニー 10日 ロイター] – オーストラリア準備銀行(中央銀行)は、10日に公表した四半期金融政策報告でインフレ予想を下方修正し、基調インフレ率が目標レンジ2─3%の下限に達するのは2019年初め以降になるとの見通しを示した。

中銀は8月の時点で、基調インフレ率は2017年下期に2%前後に到達すると予想していた。

ロウ総裁は「インフレと賃金の伸びは低水準にとどまっている。いずれも段階的にしか加速しない見通しだ」と述べた。

また「インフレ見通しに影響を及ぼす重要な不確定要素には、労働市場の引き締まりに伴い賃金上昇がどの程度加速するか、労働コストの上昇がどの程度早期にインフレ加速につながるか、といった点が含まれる」とした。

中銀は最近の雇用の強さを歓迎する一方、失業率は2019年6月まで5.5%近辺に高止まりするとの見方を示した。

2018年年央の経済成長率は2.75%になるとし、当初予想の3%から引き下げた。

さらに、豪ドル相場が一段と上昇すれば、インフレと経済成長の回復は鈍化する可能性があるとした。

JPモルガンのエコノミスト、トム・ケネディ氏は「中銀の見通しに変化が見られる。住宅市場のリスクを回避するために中銀は低インフレや低成長を容認する構えだ」と説明し、「コアインフレ率予想が中銀目標を下回っている状況で中銀がタカ派姿勢を維持するのは難しく、当面は金利を据え置くだろう」との見方を示した。

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