米CFPB局長、今月末で辞任 金融規制撤廃にシフトへ

[ワシントン 15日 ロイター] – 米消費者金融保護局(CFPB)のコードレー局長は15日、今月末で辞任する意向を示した。CFPBは金融危機発生時にオバマ前大統領によって設立され、コードレー局長の下、銀行や自動車ディーラー、クレジットカード会社などによる高金利融資に厳しい罰則を課してきた。

当初の任期は来年7月まで。コードレー氏は早期辞任の理由について明かしていない。CFPBの広報担当者はこれ以上の詳細について言及を避けた。

これを受け、トランプ米大統領は自身の規制撤廃に向けた取り組みを支持する局長代理を速やかに任命する見通し。

コードレー局長は、オバマ政権時代に導入された金融規制を緩和しようとするトランプ米大統領や共和党員の取り組みに対し防波堤の役目を果たしてきたが、後任は誰であれ規制緩和の流れにシフトすると予想されている。

ホワイトハウスの副報道官は「トランプ政権はコードレー局長の後任となる候補者や局長代理を適切なタイミングで発表する」と述べた。

トランプ氏はひとまずムニューシン財務長官を後任とすることで、異論が出かねない承認手続きを回避する可能性がある。

正式な後任候補として名前が挙がっているのが、共和党のジェブ・ヘンサリング下院議員。同氏はCFPBの監視力を抑制しようとするなど長期にわたってCFPBを批判しており、数カ月前にはトランプ氏に対しコードレー局長の解任を進言していた。

ヘンサリング氏は2018年末での政界引退を発表済み。同氏の広報担当者にコメントを求めたが、現時点で返答はない。

別の候補者として共和党のフレンチ・ヒル下院議員も名前が挙がっている。同氏もCFPBに対して批判的。ヒル氏の広報担当者からもコメントを得られていない。

また可能性は低いが、米議会によってCFPBの体制見直しが進められる公算もある。

コードレー氏は辞任後の方針について言及していない。ただ、出身地であるオハイオ州の知事選に民主党候補として出馬を検討しているとの観測もある。

関連記事
最近、バルト海にある二本の重要な海底ケーブルが損壊し、ドイツ、スウェーデン、フィンランド、リトアニアの四か国が […]
米国議会は中国の最恵国待遇の取り消しを提案。AI技術競争において優位を目指す「AIマンハッタン計画」も始動。中国経済への影響が注目される
トランプ次期大統領は緊急事態宣言を準備し、不法移民の強制送還計画を発表した。計画では特に中国籍の兵役年齢の男性を優先している
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
豪州初の女性宇宙飛行士ベネル=ペッグ氏は、シドニーの会議で「宇宙には地球上の砂浜の砂粒に例えるほどの恒星があり、生命の存在は確実だ」と語り、太陽系内外での地球外生命探査の可能性に期待を寄せた。「宇宙での発見は生命の理解を深める貴重な手がかりになる」と強調。