中国、大手ハイテク企業らの「副業」 政府監視の耳目に

中国の大手ハイテク企業らは共産党の圧力で、犯罪容疑者の追跡や反体制派への言論抑圧、市民監視システムの構築など「副業」まで引き受けている。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)中国版が4日に報じた。

市民を監視するため、中国政府は防犯カメラ、高度な顔認識技術及びコンピュータネットワークを通じて、世界最強の監視システムを構築している。

この計画の中でテンセント(騰訊)やアリババ集団、Baidu(百度)など国内の大手ハイテク企業らが政府の耳目となり、ネットでの技術力をもって監視網の構築に手助けしている。

米国企業はつねに政府からの個人情報の開示要請を断っている。しかし、中国では一党独裁により、政府が企業経営権を事実上支配しているため、国内企業は政府の要求に応じざるを得ない。

テンセントの取締役会長・馬化騰氏やアリババの馬雲会長は公の場で中共政府に協力すると表明している。

アリババは中国の電子商取引最大手として、ネットショッピングや動画閲覧、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、オンライン決済などのサービスを通じて、数億人の個人情報を収集してきた。

アリババ社内には、「アリシールド(神盾局)」と呼ばれるネットワークトラフィック監視特別チームが設けられており、警察に協力して何千もの事件を処理したといった実績をもっている。

中国最大級のユーザーネットワークを誇るテンセント傘下のメッセージングアプリWeChat(微信)のユーザ数は10億人近くに達した。

最近、WeChatモバイル決済サービスを利用し、オンラインではじき弓を1個買ったという北京の人権活動家・胡佳氏はWSJの取材に、「はじき弓で監視カメラを弾き飛ばす狙いか」と国家安全保障局の職員に言いがかりを付けられた、と話した。

  中国では国家権力にとって不都合な情報は厳しく規制されている。Google、TwitterやFacebookが中国ではアクセス不能となっている。当局は国内では最新のハイテク技術を用いてネット検閲を徹底している。

中国政府は今年6月1日から「インターネット安全法」を施行した。インターネット企業に対し「国家安全保障、国民の名誉及び利益を危険にさらす」すべてのコンテンツの削除に協力するよう要求し、国内のインターネット法規制をさらに厳格化した。

(翻訳編集・王君宜)

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