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陰陽のリズムに従った健康な生活

古代中国の医学文献によると、宇宙の万事万物は陰と陽の相互作用によって生まれ、バランスを保ちながら運行しています。人間の身体もひとつの宇宙であり、陰陽の運行リズムに従って生活することが健康の秘訣であると考えられていました。

 例えば、古代中国人は季節に従うことを重視しました。人間は、春夏に「陽」の気を養い、秋冬に「陰」の気を養うことで正気を増やし、邪気の侵入を防ぐことができます。また、人体を動かす原動力である「気」は、朝に上昇し始め、昼ごろにピークを迎え、午後は徐々に低下し、日没後は体内に収まり気門が完全に閉じてしまいます。従って、夜に活発的な活動を行ったり、身体を酷使したりすることは、陰陽のリズムに逆らい、健康に悪影響が出ると考えられています。長期にわたる深夜残業、夜遊びなどは、すべて身体の陰陽のバランスを崩す生活スタイルなのです。

 そのほか、飲酒も控えめにすることが重要です。なぜなら、飲酒は人間のエネルギーの源である「精気」を消費してしまうからです。過剰な快楽、過剰な感情変化、不規則な生活スタイルなどは精気を消費させるため、老化促進や身体の不調の原因となります。

 また、穏やかで安定的な気持ちを保つことも肝要です。古代中国の諺に、「怒り過ぎれば陰を損ない、喜び過ぎれば陽を損なう」とあります。喜びは心臓に、怒りは肝臓に、悲しみと憂いは肺に、思慮は脾臓に、恐れは腎臓に影響を与えます。五臓の健康状態は、日ごろの感情の変化と密接に繋がっています。感情の変化が激しい場合、身体の精気と気血を甚だしく損ない、健康への害も甚大になります。現代の西洋医学でも、感情の変化が内分泌系に影響を及ぼし、それが病気に繋がることを認めています。

 古代中国において養生する人は、過飲過食や美食を控え、規則正しく、感情の波をあまり立たせない生活をしていました。彼らは健康で、100歳を超えるほど長生きした人もたくさんいたといいます。陰陽のリズムに従って生活することが、万病を防ぐコツなのです。

 

(2012年5月18日の記事を再掲載いたしました)

(翻訳編集・郭丹丹)

 

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