米シェール業界への投資続く、新たな資金調達の仕組みも人気

[ヒューストン 14日 ロイター] – 米国のシェールオイル業界への投資が続き、生産は2020年代半ばまで増え続ける見通しだ。背景には資金調達の容易さがある。

投資家やアドバイザー、企業幹部など10人以上に取材したところ、ヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE)会社はシェールオイル会社に対し、新たな手法を含めさまざまな資金調達手段を提供している。

調査会社プレキンのデータによると、今年第3・四半期にPE会社がエネルギー関連の案件に投じた額は202億6000万ドルで、昨年1年間の総額を36%超上回った。

ウォーバーグ・ピンカスは今週、他のファンド2社とともにテキサス州の油田開発会社に7億8000万ドルを出資した。

今年はシェールオイル生産業者が将来の生産について、価格をあらかじめ設定する契約も増えている。価格下落をヘッジすることにより、利益見通しを安定させる狙いがある。

2014年の原油安を受けて、エネルギー関連の融資を急激に控えた金融機関に代わる格好でシェール業界への投資を始めたPE会社やヘッジファンドなどは、従来型の投資に加え、新たな資金調達の仕組みを採用している。

新たな手段の一つは「DrillCo」と呼ばれ、投資家は新たな油田に出資し、2桁のリターンが得られるまで数年にわたってキャッシュフローを管理できるという仕組み。2015年以降、この仕組みを通じて少なくとも20億ドルがシェール業界に投じられた。15%のリターンが期待できる点が投資家の人気を集めている。

このほか、SPAC(特別目的買収会社、special purpose acquisition company)による資金調達と石油会社の買収や、パイプラインや貯蔵施設などエネルギーインフラの共同投資事業形態も広がっている。

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