フィッチ、ポルトガルを「BBB」に格上げ 投資適格級は大手2社目
[リスボン 15日 ロイター] – 格付け会社フィッチは15日、ポルトガルのソブリン信用格付けを従来の「BBプラス」から2段階引き上げ、投資適格級の「BBB」とした。大手格付け会社3社のうち、2社から投資適格級の格付けを得たことになる。
フィッチは格上げの理由として債務の対国内総生産(GDP)比率の低下と中期的にこの低下傾向が続くとの見通しを挙げた。見通しは「安定的」。
「債務を取り巻く環境はこれまでの構造的財政措置、最近の循環的回復、借り入れ状況の大幅な改善によって好転している」と指摘した。
ただ、2018年の財政赤字は対GDP比で1.4%にとどまると予想。政府の見通しである1.1%を上回る。
ポルトガル財務省は、2段階の格上げは同国にとって初めてで、財政管理と成長促進の取り組みを評価したものだとの見解を示した。「前向きな評価はポルトガル国債の投資家層の拡大とさらなるソブリン債指数への採用につながる」との期待感を示した。
マークイット/iBoxxやブルームバーグ/バークレイズなどが算出する主要なユーロ建て国債指数のほとんどはムーディーズ、S&P、フィッチの大手3社による格付けの平均に基づいている。
S&Pは9月に3社では初めて、ポルトガルの信用格付けを投資適格級に復帰させた。ポルトガルは債務危機に見舞われた2012年初めにジャンク(投機的)等級へ転落していた。
15日の取引でポルトガル国債の利回りは格上げへの期待から、15年初め以来の低水準を付け、一時は約8年ぶりにイタリア国債利回りを下回った。
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