中国当局、年明けに2人の高官失脚を公表
中国で年明け早々、2人の現役高官が失脚したことがわかった。中国共産党中央紀律検査委員会(中規委)は3日と4日、陝西省の馮新柱副省長(57)と山東省の季緗綺副省長(57)が「重大な規律違反」の疑いで、当局の取り調べを受けていると、相次いで発表した。当局は規律違反の詳細については言及しなかった。汚職容疑が原因だとみられる。
昨年10月下旬に閉幕した党大会以降から現在まで、すでに5人の高官が失脚している。
陝西省洋県出身の馮新柱氏は、同省銅川市の副市長や市長、党委員会書記などを歴任し、2015年4月に同省副省長に任命された。
過去5年間の反腐敗運動において、一部の陝西省高官が相次いで失脚した。昨年5月22日、中規委は同省人民代表大会常務委員会副主任の魏民洲氏に対して調査を行っていると発表。魏氏は、16年に収賄と職権乱用などの罪に問われた令計画氏と密接な関係にあるとみられる。
大紀元時事評論員の陳思敏氏は、汚職容疑で失脚した馮氏は、同省銅川市トップ在任中、同市の法輪功愛好者が受けた深刻な迫害に責任を負わなければならないと指摘した。
中国国内法輪功愛好者の迫害情報を発信する「明慧ネット」が昨年10月中旬に公表した『陝西省法輪功愛好者18年間の迫害状況』によると、銅川市の学習者が受けた迫害は同省内においても深刻だった。
一方、山東省費県出身の季緗綺氏は長い間、同省国有企業、山東省商業集団総公司(本部、済南市)で社長や会長と党組織トップを務めていた。13年1月に、同省副省長に昇格した。
中規委は、15年11月から16年3月まで同社に対して行われた汚職摘発目的の巡視では、職権を乱用し私益を得た問題が見受けられたと発表した。
また、「明慧ネット」は08年の報道で、季氏が同社の会長だった当時、済南市の法輪功愛好者への迫害に関与したと批判した。
山東省では済南市の前党委員会書記の王敏氏と前市長の楊魯豫氏は、16年と17年にそれぞれ収賄罪で、懲役12年と14年を言い渡された。
(翻訳編集・張哲)