ISの武器、中国製が40%強、テロ組織のメジャーな武器供給源=英調査
イギリス研究機関はこのほど、中東テロ組織「イスラム国(IS)」が持つ武器装備の約40%は中国製であるとの調査結果を発表した。
英デイリーメールは2日、ロンドンに本部を置く「紛争武装研究所(Conflict Armament Research、CAR)」が調査した2014年7月から17年11月までの約3年間で、イラクとシリアで取り上げられたISの武器のうち、約9割が中国、ロシア、東ヨーロッパの元共産主義国家のものであるとCARの報告を引用して報じた。
同研究は期間中に押収された4万点にも上る兵器の製造元を調べた。全体の43.5%が中国製、12.1%がルーマニア製、9.6%がロシア製、7.2%がハンガリー製となった。
また、ISに占拠されていたイラクのモスル地区南部で、中国製81式7.62㎜軽機関銃122挺と、67式7.62㎜中量級機関銃61挺をイラク軍は発見したという。
中国のテロ「輸血」判断、今回が初めてではない
テロ組織に対するメジャーな武器供給国が中国であるとの指摘は、今回が初めてではない。米軍紙スターアンドストライプスは14年10月、CARの調査報告を引用し、ISが使用している兵器は中国を含む21カ国が製造したもので、うちの26%が中国製だと伝えた。同紙は、中国当局は世界最大の武器取引商で、各地で発生している紛争において中国製武器を目にすることができると批判した。
また、英フィナンシャルタイムズも17年12月、米ニューヨークのバード大学ドローン研究センターは、ISが使用した32種類の実戦型ドローンはほぼすべて中国製だとの研究報告書を公表した。
在米中国問題専門家の曽宏氏は大紀元に対して、中国当局は明確に国際武器取引のルールに違反していると述べた。「国際社会では武器取引は国と国の間でしか行うことができない」
曽宏氏によると、中国の軍事工業関連企業はすべて国有企業であるという。兵器の生産、販売、輸出はすべて中国当局の管理下に置かれている。
国際社会の真の脅威は、テロ組織やテロ国家ではない=専門家
曽宏氏は、国際社会が直面している真の脅威は、ISなどようなテロ組織や、米国にテロ支援国家に指定されている国でもないとの見方を示した。
「真の脅威は中国共産党当局そのものだ。彼らは密かに多くのテロ組織を支援し、北朝鮮、イラン、キューバの独裁政権を援助している。国内においては、反テロを口実に、当局に異を唱えるものを鎮圧している」
スウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所」は今年2月、12~16年までの5年間の世界武器取引状況の調査結果を公表した。同期間中、世界の武器取引量は07~11年までと比べて約8.4%増加したという。輸出国として、中国は、米国、ロシアに次ぐ3位。また、中国の12~16年までの武器輸出量は07~11年と比べ74%増加し、全体に占めるシェアは前回の3.8%から6.2%に拡大した。
(翻訳編集・張哲)