米軍、中露との競争が最優先事項 対テロから方針転換
[ワシントン 19日 ロイター] – 米国防総省が19日公表した戦略文書「国家防衛戦略」は、中国とロシアとの競争を最優先事項と位置づけた。過去15年間優先してきたテロとの戦いから方針を転換したことを示す。
優先事項は、今後の防衛予算に反映されるとみられる。
マティス米国防長官は文書公表に合わせて講演し「中国やロシアなど、国際秩序の現状変更を目指す修正主義勢力による脅威が増している。こうした国は独裁主義的な世界を創り出そうとしている」と述べた。
文書はまた、北朝鮮も優先事項の一つとして挙げた。北朝鮮からの脅威に対抗するため米国のミサイル防衛に注力する必要性を記載。北朝鮮は核兵器のほか、生物化学兵器や従来型の兵器の増強を進めている。
文書は米軍にとって同盟国との協調が必要不可欠とする一方で、こうした国と負担を分ける必要があると主張。トランプ大統領は同盟国が米国の安全保障に付け込んでいると批判しており、こうした意見に同調する内容だ。
米軍の年間純支出は5878億ドルと、マティス長官が競合国として挙げた中国やロシアを大幅に超えている。中国は1617億ドル、ロシアは446億ドルだ。
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