米税制改革、一部の州は企業増税で財政・個人への負担軽減を検討

[ワシントン 24日 ロイター] – ニューヨークなど一部の州では、米税制改革による住民や州財政への影響を緩和するため、州レベルでの法人税の増税などを検討している。

納税者はこれまで連邦税の申告に際して、SALTと呼ばれる控除制度により、州の固定資産税と所得税または消費税として支払った額を控除できるようになっていた。ただ、共和党の税制改革法では、この控除に1万ドルの上限が設けられた。一方、企業の連邦法人税は35%から21%に引き下げられた。

超党派のタックス・ポリシー・シンクタンクが主催した会合で、ニューヨーク州当局者は、税制改革によりニューヨーク州の納税者負担は年間140億ドルに達する可能性があるとし、従業員ではなく雇用者が負担分を支払う仕組みとして、二重課税システムなどを検討していると語った。

また、特許など、企業が海外の無形資産から得る収入に課税することが可能かを調べている州もある。

ジョージア州立大学のシニア研究員、ローラ・ウィーラー氏は、政治的にみても、控除が縮小された人々から税金を取るよりは、企業から取るほうが簡単かもしれない、との見方を示した。

超党派機関アーバン・インスティチュートの州・地方財政専門家、キム・ルーベン氏は税制改革は「企業にとってはかなりの減税となる」と指摘し、「個人と企業間の納税義務において、州レベルで何らかの変更を行う余地があるかもしれない」との見方を示した。

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