トランプ米大統領、移民政策で共和党議員らに譲歩呼び掛け
[ホワイト・サルファー・スプリングズ(米ウェストバージニア州) 1日 ロイター] – トランプ米大統領は1日、共和党議員らに対し、幼少期に親と不法入国した「ドリーマー」と呼ばれる移民の滞在を認めることへの懸念を抑え、同措置を盛り込んだ法案を可決するよう呼び掛けた。ただ、法案には新たな移民抑制策が含まれることも明確にした。
移民政策を巡る議論は、迫りつつある予算の期限と複雑に絡み合っている。議会は政府機関の閉鎖を回避するため2月8日までに新たなつなぎ予算で合意する必要があるほか、米国債のデフォルト(債務不履行)を避けるため今月中に連邦債務の上限も引き上げる必要がある。
先月は議会の対立で政府機関の一部閉鎖が3日間続く事態となった。民主党はつなぎ予算を支持する条件としてドリーマーの保護を求めていたが、最終的に保護の延長について今後採決を行うことをマコネル共和党上院院内総務が約束したことで予算可決に至った経緯がある。
トランプ氏は議員らに対し「われわれはそれを成し遂げるために、ある程度の妥協が必要になる。わが国がすべてを得るためには少しの譲歩に前向きになる必要がある」と強調した。
トランプ氏は180万人のドリーマーに滞在を認め、最終的に市民権を与えることに前向きな姿勢を示している。
ただ、それは合法的な移民の受け入れを抑制する新たな措置やメキシコとの国境の壁建設への250億ドルの資金拠出などを条件としている。
トランプ氏は1日、こうした条件を法案にすべて盛り込むよう上院に促した。
トランプ氏が提示した条件の一部は民主党にとって受け入れがたい内容であるとともに、一部の共和党議員にとってもリベラル色が強過ぎる。
共和党保守派は不法移民の保護延長に対して懸念を示している。一方、上下両院の強硬派は一部の国に対するビザ抽選制度廃止や、移民が家族を呼び寄せられる制度の縮小といったトランプ氏の提案が盛り込まれれば支持する姿勢を示している。