米中貿易協議が開催へ、米側は率直な意見交換求める=当局者

[ワシントン 28日 ロイター] – 米国のムニューシン財務長官らは、訪米している中国の代表団との3月1日の貿易協議で強硬路線を貫く見通しだ。米政府当局者は率直な意見交換を予定していると述べた。

米国の対中貿易赤字は2017年に3750億ドルに達した。側近らによるとトランプ大統領は赤字拡大に不満を募らせており、輸入鉄鋼やアルミニウムへの関税を検討中。中国からの報復の可能性が高まり、一部のアナリストは貿易戦争に発展する恐れがあるとみている。

政府当局者によると、ムニューシン財務長官、ライトハイザー通商代表部(USTR)代表、コーン国家経済会議(NEC)委員長は共に、劉鶴氏ら中国の代表団とホワイトハウスで会うことになっている。

この当局者は「貿易や経済関係に関する率直な意見交換を予定しており、協議では重要な問題に重点を置く」と述べた。トランプ大統領が劉鶴氏と会見する予定はないというが、協議が進展した場合の可能性については否定しなかった。

米政府当局者は、中国側にはトランプ大統領を満足させる方法で米貿易赤字を縮小させるための措置を講じる意向がほとんどないと説明。対応を求めていると述べた。

米商務省は16日、トランプ大統領に対し、中国などからの鉄鋼輸入を大幅に制限し関税や輸入制限を導入するよう提言した。

鉄鋼への包括的関税は、中国から米国市場へ持ち込まれる全ての鉄鋼やアルミニウム製品が対象となる。

ホワイトハウスに近い筋によると、トランプ大統領は輸入鉄鋼に対し少なくとも24%の関税を課すことに関心を示したという。ホワイトハウスは、最終決定は下されていないとコメントした。

トランプ大統領は23日の会見で「現在の米中関係は過去に例を見ないほど良好だ」とした上で、「障害は貿易問題だけだ。非常に一方的で不均衡だからだ」と述べた。

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