米大統領、メキシコ国境を軍隊で警備する方針表明 法的問題も
[ワシントン 3日 ロイター] – トランプ米大統領は3日、メキシコとの国境沿いに壁が建設され「適切な安全」が確保されるまで、軍隊を出動させて国境を警備する方針を示した。
トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、米国への不法な入国を食い止める必要があるとし、「壁が建設され適切な安全が確保されるまで、国境を軍隊を用いて警備する。これは大きな一歩となる」と発言。この件に関してマティス国防長官らと同日協議したことを明らかにした。
ただ、国内への軍隊配備には法的な問題が伴うほか、大統領は国境警備にあたらせる軍隊の規模や目的について詳細に触れていない。
連邦法の民警団法では、議会の承認がない限り、米領土内における民間の法執行業務のための軍隊の出動を禁じている。しかし、軍隊が国内での法執行を支援することは可能で、1980年代以降、国境管理のための情報提供など軍が法執行を支援するケースがたびたびあった。
また、暴動制圧や災害時の救助などで国内に軍を出動させる権限を大統領に与える特別規定も存在する。
下院の共和党幹部によると、米軍によるメキシコ国境の警備に関して主要な議員はホワイトハウスから説明を受けておらず、具体的な計画が策定されていない可能性があるという。
一部の議員からは大統領の計画に否定的な意見が出ている。
メキシコの駐米大使はCNNに対し、トランプ大統領の方針は「メキシコ政府として歓迎するものではない」と発言。大統領の方針についてすでに米国土安全保障長官と協議し、メキシコ政府として正式に米政府に説明を求めたと明らかにした。
一方、メキシコ当局は、トランプ大統領の要請に応じ、ホンジュラスなど中米諸国からメキシコに入り、米国を目指す移民への入国審査を厳格化している。
*内容を追加しました。
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