米国、対米黒字削減額の倍増を要求 中国「相違なお大きい」
[北京 4日 ロイター] – 米国が中国との通商協議で、対米貿易黒字を2000億ドル削減し、輸入関税を米国の水準まで大きく引き下げるよう要求したことが、関係筋2人の話で4日分かった。
中国側は、意見の隔たりがなお「かなり大きい」との認識を示した。
トランプ大統領はこの日、記者団に米中の公正な通商関係構築に向けた決意を表明。習近平国家主席に「強い尊敬の念」を抱いているとした。
米国はこれまで、中国の対米貿易黒字を1000億ドル減らすよう求めていたが、要求水準を2倍に引き上げた。
関係筋によると、米代表団は、国産振興が目的である「中国製造2025」関連の先端技術への補助金支出停止も要請した。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は関係筋の話を引用する形で、提案について中国当局者らが「不公平」と認識していると伝えた。
関係筋2人の話やロイターが入手した文書によると、中国側は米国製品の輸入拡大や、自動車など一部製品に対する関税引き下げを提案した。
ただ、米国が国家安全保障に関わる見直しを行う際、中国の投資を平等に扱い、追加的な投資制限に踏み切らず、通商法301条に基づく25%の関税をかけないよう求めた。米国産モロコシへの反不当廉売課税を再検討する提案も行ったという。
新華社によると、知的財産権保護のほか、米国の輸出や2国間サービス貿易拡大についてやりとりがあったと報じた。今後の行動について触れなかったが、両国が対話を通じた通商対立の解決にコミットしたと伝えた。
米企業による中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)<000063.SZ> <0763.HK>への製品販売を禁止する措置について、米側が中国側の抗議を受けトランプ大統領に伝えることに同意したという。
中国国営のグローバル・タイムズ紙は交渉関係筋の話として、中国は米側の批判に「厳しく反撃した」とし、折れる考えは無いことを伝えたと、ウェブサイトに掲載した社説で報じた。