通商問題で米中は依然「かけ離れている」=ブランスタッド駐中国大使

[東京 15日 ロイター] – 米国のブランスタッド駐中国大使は15日、東京で記者会見に臨み、通商問題の解決において米中は依然として「かけ離れている」と語り、中国側が米国に対してどのように市場を開放するかのタイムテーブルを示すことを望むと述べた。

ブランスタッド氏は、中国は世界貿易機関(WTO)加盟時に積極的に市場を開放することに合意したが、約束されたことの多くは実行されていないと指摘。「われわれはタイムテーブルを求めている。遅かれ早かれこれらが実行されることを望んでいる」と述べた。

米中の貿易摩擦が激しくなる中、米国の代表団は今月初めに中国を訪れ、トランプ政権が主張する、中国による知的財産権の侵害や不公正な通商政策などの是正に向けた要求を列記したリストを提示した。両政府は米国の要求リストを巡る合意には至らず、ワシントンでの協議再開を決めた。

この会合に出席したブランスタッド氏は、中国側はリストの重要性に「圧倒された」様子だったと説明。「中国側が具体的な要求を知りたいと主張したので、われわれは通商問題での要求のすべてを提示した。それによって彼らは、われわれの要求が分からないと言えなくなった」と述べた。

その上で、中国は自動車関税引き下げ、保険・金融サービス部門の開放といった約束を果たしていないと指摘した。

また、トランプ大統領が中国への食品輸出の「劇的な増加」を望んでいるとも発言。「中国市場が米国市場と同程度に開放されることを望む」と述べた。

米国は通商法301条に基づき500億ドル相当の中国製品に高関税を課す制裁措置を発表。6月に発動される可能性があるが、計画には不透明な部分が残っている。

これについてブランスタッド氏は、中国の農業・自動車市場の開放が進めば撤回される可能性を指摘。「通商協議の行方次第であり得る」と述べた。

今週ワシントンで行われる米中通商協議については、合意が可能な分野として、米国産の液化天然ガス(LNG)輸出の拡大を挙げた。

*内容を更新します。

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