初の米朝会談、日本政府は問題進展に慎重な見方崩さず  

[東京 12日 ロイター] – 12日にシンガポールで始まった初の米朝首脳会談について、日本政府は核・ミサイル、拉致問題の進展に慎重な見方を崩していない。小野寺五典防衛相は「具体的な行動が確認できるまでは気を許すべきではない」と述べ、北朝鮮の挑発行為に対する警戒監視を続ける方針を明らかにした。

河野太郎外相は12日午前の閣議後会見で、「すべての大量破壊兵器、あらゆる射程のミサイルの完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄に向け、明確なコミットメント(約束)を引き出せるかが焦点」と指摘。しかし、今回の会談で廃棄に向けた具体的な工程表にまで合意できるかどうかは、「予断を持って申し上げるのは控えたい」とした。

拉致問題の見通しについても、「(米朝)会談がどうなるかわからないので、予断をもって言うのは避けたい」と述べるにとどめ、「最終的には日朝間で話し合わなければならない問題。今日の会談の状況をしっかり見極めたい」と語った。

小野寺防衛相は、非核化の約束を繰り返し反故にしてきた北朝鮮の過去に言及。「米朝会談が進み、一定の約束が仮にあったとしても、具体的な行動が確認できるまでは気を許すべきではない」とした上で、「北朝鮮は何も約束しているわけでもないし、具体的な行動を取っているわけではない。引き続き警戒監視の態勢を続けていく」と述べた。

河野外相は米朝会談の進展を見極めた上で、13日から訪韓する。米国、韓国との外相会談を調整し、米朝会談の内容を3カ国で共有、今後の方針をすり合わせたい考え。

日本政府は米朝会談が行われているシンガポールに谷内正太郎国家安全保障局長や外務省の金杉憲治アジア大洋州局長を派遣し、情報収集に当たらせている。

*内容を追加しました。

 

(久保信博)

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