世俗から離れ心を静める

陶淵明(とうえんめい、365年―427年)は、中国の六朝時代の東晋末から南朝・宋にかけて活躍した詩人である。

官僚が肌にあわず、陶淵明は40歳にして隠匿生活を送った。そして畑を耕しながら詩を書いた。自身の死期を悟る挽歌の詩も残されている。いかに平穏な境地にあったかをうかがい知ることができる。

人生は大河に浮かぶ小舟のようなものである。順風も逆風もあり、自分で風向きを決めることはできない。いつ岸辺にたどり着くのかもわからない。波浪に翻弄され転覆の憂き目にあうかも知れない。この世の名利も吹く風のように消え去っていく、はかないものである。何ごとにもとらわれず安らかにあれば、出会うものすべて一つの情景となり心に溶け込んでいく。

様々なことへの追求に腐心することにより、人の心は傷つけられていくのであろう。われわれの生活に真に符合する存在はそれほど多くはない。求めるべきではないものを求めることにより、苦痛という別のものが生じてきてしまう。自分が本来あるべき姿に戻る(返本帰真)-ということが唯一求めることが許される、人生の本当の意義なのである。

李白、杜甫、白居易、蘇東坡、辛棄疾といった後世の名だたる詩人らは、陶淵明の田園詩の影響を受けたと言われている。

陶淵明が表す牧歌的な詩の世界(出典:ウィキペディア)

(編集・文亮)

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