在韓米軍次期司令官、米韓演習中止で即応性「わずかに低下」

[ワシントン 25日 ロイター] – 在韓米軍の次期司令官に指名されたロバート・エイブラムス陸軍大将は25日に上院軍事委員会で開かれた指名承認公聴会で、今年の夏に米韓両国が複数の合同軍事演習を中止したことで軍の即応性が「わずかに低下した」と証言した。

トランプ大統領は6月の米朝首脳会談後、夏に予定されていた米韓合同演習を中止すると発表。米当局者の多くは意表を突かれた。

エイブラムス氏は「今年の8月、9月の演習中止は、米国が北朝鮮との関係を変えようと努める用意があるとの前提では、賢明なリスクテイクだった」と指摘。

ただ、「軍の即応性が低下したことは確かだ」と述べたうえで、小規模演習の実施など、即応性維持に向けた計画が整っていると確信していると付け加えた。

トランプ大統領は最近、米韓軍事演習を再開する理由は現時点でないとの認識を示している。

エイブラムス氏は、2019年春の軍事演習に向けた計画作りは継続しており、指導層が実施を決めることになると説明。軍の即応性の大幅低下を招くことなく、あと何回大規模演習を中止することが可能かは分からないとした。

また、北朝鮮は相当な能力をなお有しているため、米国は北朝鮮による「非対称で大陸をまたぐ重大な脅威」を引き続き注視する必要があると語った。

韓国に駐留する米兵士は約2万8500人に上る。

エイブラムス氏は、在韓米軍の撤収は戦術的に重大なリスクを生じさせると警告した。

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