漢字の神秘

【動画】毎週一字(4):仁

「毎週一字」は漢字の真髄をご紹介する教養コンテンツです。毎週一文字ずつをピックアップし、漢字に込められた本当の意味をお伝えします。また、全日本書道連盟正教授青石清雲先生による示範のビデオ動画で、古代から伝わる伝統文化「書道」をご堪能ください。

第四回は「仁」

中国の漢の時代の許慎(きょしん)が、漢字の成り立ちやその本義を部首ごとにまとめた書を「説文解字(せつもんかいじ)」という。

「仁」について、「説文解字」には以下のように書かれている。

漢代許慎《說文解字》曰:仁、親也。

「仁」とは”親しむ”という意味である。とのことです。

 

 

「仁」の意味

 

儒教の中核となる五常の徳の一つ、「仁」。人偏に「二」と書いて、人間関係の基本、つまり他人に対する慈悲と思いやりを表します。

「人」も「仁」も読みは同じ。慈悲と思いやりがなければ人間になる資格はないとされていました。儒教の「仁」は「思いやりをもって人に接すること」を意味します。

「仁」を使った四字熟語をひとつご紹介します。

仁者無敵(じんしゃむてき) :人徳が備わった人には、敵になる人がいないということ。 「仁者」は仁徳が備わっている人、仁徳者。 仁徳者が君主になれば、全ての人民を平等に愛するので、敵になる人がいなくなるという意味から。(出典『孟子』「梁恵王・下」)

 

(大紀元編集部)

 

【読者からの漢字リクエスト・コーナー】

 

北海道の前田様から、漢字「利」のリクエストを頂きました。どうもありがとうございます。

 

《說文解字》曰:利、銛也。

 

説文解字では、「利」は銛(もり)である。とあります。海の中で魚を獲るときに突き刺して使うあの銛です。先が尖っていて斜め後ろにカギが出ている道具。

「利」は二つのパーツから成り立つ漢字で、禾=農 を意味し、 利の右側=刀 を意味するそうで、つまり農具を意味するとのことです。

そのため、「食べる」ことに直結しており、昔は食べることがもっとも利益のあることでしたので、利益の利として使われるのだそうです。

今は「利」にも色々な意味が出てきたために、その他の意味も備わりましたが、もともとの意味はこういうことだそうです。

 

【漢字を募集します!!】

「本当の意味が知りたい漢字」や「書き方を教えて欲しい漢字」など、読者のみなさまから漢字を募集いたします。

皆様にとって興味のある漢字を何文字でも結構ですので、下記メールアドレスまでお送りください。

お待ちしております。

「毎週一字 漢字募集係」のあて先メールアドレス: info@epochtimes.jp

※メールの題名には「漢字募集係」と書いて下さい。メール文章には、皆様の好きな漢字を書いて下さい。

関連記事
「フクロウとキリギリス」の物語で学ぶ、甘い言葉やお世辞が真の賞賛とは言えないという教訓。イソップ寓話の魅力とともに、道徳的な価値を感じてみましょう。
清明の季節は「肝」の働きが高まり不調も出やすくなります。今が旬の菜の花は、肝の熱を冷まし気の巡りを整える優れた食材。簡単に取り入れられる養生レシピとともに、春の五行養生をご紹介します。
年齢とともに増える抜け毛や白髪。実は日々の食事で改善の余地があります。髪に必要な7つの栄養素と、中医学が教える髪と内臓の深い関係について解説します。
長年うつ病に苦しんだ女性が、薬ではなく「精神修養」によって回復。絶望の中で見つけた“希望”が、人生を根底から変えた──その実例と、科学的裏付けとは。
中医学では、緑内障の原因を「怒りや憂うつ」「代謝機能の低下」「夜更かしによる精の消耗」など全身の気血の乱れとして捉え、漢方や鍼、体操で改善を図ります。