12月22日夜、アナク・クラカタウ火山の活動に起因するとみられる津波がジャワ島を襲った(SEMI/AFP/Getty Images)

インドネシアで津波 火山による海底地すべり起因か 62人死亡 数百人負傷

インドネシアの災害当局によると、22日夜に発生した火山活動による海底地すべりは津波を引き起こし、スマトラ島とジャワ島で少なくとも62人が死亡、数百人が負傷した。さらに何百もの家が全壊、倒壊しており、多数の行方不明者が出ている。

国家災害当局報道官Sutopo Purwo Nugroho氏によると、津波はアナク・クラカタウ火山の活動による海底地すべりによって引き起こされ、新月による高潮は被害の規模を拡大させた可能性があると述べた。噴火活動は津波発生の24分前に起きた。

報道官によると、最も深刻な被害を受けた地域は、ジャワ島のバンテン州Padenglang地域で、人気の美しいビーチのある観光地Ujung Kulon国立公園が含まれる。同地域から33人の死者が出ているという。

被災映像の一部としてショッキングな映像が出回っている。豪州テレビABCのインドネシア支局担当デービッド・リプソン氏はSNSで、津波発生時にTanjung Lesungビーチリゾートでコンサートを開催していた韓国の音楽バンド・セブンティーンと観客が被災する映像を掲載。ステージ背面から襲ってきた津波により、演奏者や観客が押し流された。現地報道によると、バンドメンバーの1人と家族は犠牲になったという。

世界の地震を観測する米国地質学研究所によると、この地域では22日当日、大型地震は観測されていない。

クラカタウは活発な噴火活動を継続する火山島。航空路火山灰情報センター(VAAC)によると翌23日、クラカタウ火山は大規模に噴火し、噴煙が火口から約1万6千メートルまで上がった。

大規模な火山の噴火は山の斜面を崩壊させ、津波を引き起こす可能性がある。類似する例として、日本の災害記録によると、18世紀雲仙岳の噴火で眉山が崩壊し、津波が対岸の肥後国(熊本)を襲った島原大変肥後迷惑がある。

(編集・佐渡道世)

関連記事
[ジャカルタ 18日 ロイター] - インドネシア議会は首都をジャカルタからボルネオ島のカリマンタンに移転する法案を可決した。スハルソ国家開発企画庁長官が18日明らかにした。 議会で「新首都は中心的な機能を持ち、国家のアイデンティティーの象徴であると同時に、新たな経済活動の中心になる」と述べた。 スハルソ氏は17日、新首都の名前は「ヌサンタラ」になると発表した。ジョコ大統領が選んだもので、「群島」
インドネシア最大の女性団体の1つであるDharma Wanita Persatuan(DWP)は、22年間にわたりケムハンと呼ばれる国防省に関連する支部を維持してきた。
[ジャカルタ 9日 ロイター] - インドネシア政府は9日、石炭輸出停止措置について石炭および関連業界との会合を再び開いた。業界関係者によると、政府側は国内発電所への石炭輸送上の問題を取り上げ、禁輸解除の決定には至らなかった。 インドネシアは、国営発電所の石炭在庫が危険な水準まで減少したとして、今月1日から石炭の輸出を停止。石炭相場は上昇した。 石炭業界団体の幹部によると、9日の会合では発電所に
[ジャカルタ 7日 ロイター] - インドネシアのルフット海事・投資担当調整相は、石炭の輸出禁止の原因となった電力の非常事態は終了したが、この分野の政策について7日も協議を続け、同日中に結論を出すと述べた。 CNBCインドネシアが伝えた。 インドネシアは、国営発電所の石炭在庫が危険な水準まで減少したとして、今月1日から石炭の輸出を停止している。
インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は1日、国内発電所の石炭供給不足により、1日から31日までの1カ月間に石炭の輸出を禁止することを発表した。インドネシアの石炭輸出に依存している中国に対する影響が懸念されている。