日米安全保障条約が不公平とトランプ発言の報道 米当局者「不正確」
ブルームバーグは25日、事情に詳しい関係者3人からの話として、トランプ米大統領が側近との私的な会話の中で、日米安全保障条約は不公平だとみなしていると伝えた。大統領は広範にわたり、他の条約も含めて互恵的なものを望んでいるという。いっぽう、米当局者はNHKの取材に対して、該当の記事には「不正確な点が多数あることを記者に伝えた」と述べている。
ブルームバーグの報道によると、トランプ大統領は、日米の同条約は日本が攻撃されれば米国は援助することを約束するが、米国が攻撃されても自衛隊は支援することを義務付けていないことから、不公平だと考えている。
いっぽう、条約破棄の可能性について、政権当局者は「非現実的な話」と伝えており、米国側が破棄に向けた措置を取る用意はない。
トランプ大統領は2020年に控えた大統領選挙の最中であり、報道は、日米貿易交渉のカードとして取り上げた可能性もある。
報道による情報筋2人の見方では、トランプ大統領は、同盟国を含む他国との条約について、米国の負担を見直す広範な検討を行っているという。24日、ホルムズ海峡における米国軍の他国の輸送船の保護負担についても疑問を呈し、「自国の石油タンカーは自分で守るべき」と主張した。
菅官房長官は25日午後の会見で、日米安全保障条約の破棄の可能性について、「報道にあるような日米安保見直しといった話は全くない」とし、ホワイトハウスからも米政府の立場と相容れないと確認している、と述べた。
(編集・佐渡道世)
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