韓国への輸出規制、元徴用工巡る対抗措置ではない=西村官房副長官

[東京 1日 ロイター] – 西村康稔官房副長官は1日、韓国向けに半導体材料を輸出する際の規制強化について、元徴用工訴訟を巡る対抗措置ではないとの認識を示した。トランプ米大統領が言及した日米安保条約見直しに関しては「日米政府間でのやり取りは一切ない」と明言した。同日午前、官邸内で記者団に語った。

韓国への輸出規制強化が保護主義に当たらないかとの指摘には「自由貿易に逆行するものではない」と語った。

一方、先の米朝首脳会談について、西村官房副長官は「今後の米朝プロセス再開を歓迎する」との認識を示し、朝鮮半島の非核化を実現するため「今後も日米、日米韓で緊密に連携する」とした。拉致問題解決に向けては安倍晋三首相が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と「1日も早く向き合う決意だ」と述べた。

トランプ米大統領が29日の米中首脳会談後に表明した華為技術(ファーウェイ)に対する制裁緩和に関しては、米政府の対応について「予断を控える」と述べるにとどめた。西村官房副長官はまた「日本政府は特定企業を排除する目的で措置をとっていない。引き続き情報収集に努める」と語った。

大企業・製造業の景況感が2期連続で悪化した6月の日銀短観にも触れ、「中国経済の減速などから輸出が鈍化している」との認識を示した。

緩やかに景気が回復している現状に変わりないとの認識も示し、10月1日の消費税率10%への引き上げについて「方針に変わりない」と述べた。「内外経済の動向を注視し、経済財政運営に万全を期す」との考えも併せて示した。

 

 

(山口貴也 編集:内田慎一)

関連記事
韓国の尹大統領は、非常戒厳を宣布する理由に「北朝鮮の共産主義勢力の脅威」を挙げた。この共産主義勢力の脅威とは、何なのか。実は北朝鮮だけではなく、中国共産党も韓国政治に深く浸透している。
韓国の尹錫悦大統領は4日未明、わずか6時間で非常戒厳を「解除する」と表明し、国会から軍が撤収した。一連の混乱は韓国政治だけでなく、国際社会にも衝撃が走った。戒厳令宣布の背景には、何があるのか。
EUは中国製設備を事実上排除する新たな規定を水素生産補助金計画に追加。電解槽が25%以上中国製の場合、補助金対象外とする方針で、エネルギー産業における中国依存を減らす狙いがある。
パラオは台湾との関係を維持し、中国依存の脱却を目指して観光業の多様化を進めている。新たな航空路線の開設や、文化と環境を尊重する観光客層の誘致に注力している。
韓国の半導体産業が中国のダンピングで圧力を受け、輸出競争力が低下。韓国政府は14兆ウォン規模の財政支援を発表し、半導体生態系の強化と高付加価値製品へのシフトを目指している。また、中国市場への輸出依存が減少する中、中国の追い上げが韓国にとって大きな脅威となっていると警告している。